オトーは月刊スターログと #4 : 1982年7月号

月刊スターログ日本版NO.45:1982年7月号 定価680円

表紙写真:ロバート・マッコール描くスペースシャトル

目次写真

巻頭ピンナップは表のカラーが安彦良和の『クラッシャージョウ』、裏はモノクロで映画『メガフォース』の「図解超兵器」。あはは。とりあえず笑っとくか。
安彦良和画のクラッシャージョウはスタジオぬえからB2判ポスターとして販売されていて私も買いました。まだ持っているのですが、壁に貼ると妻に怒られるので2年に1回くらい広げてながめてます。
裏のメガフォース図解超兵器は、メガフォース軍団のメインメカ、装甲車TAC-COMが透視図で図解されてます。あははのは。とりあえず笑っときます。

そのころ映画は『メガフォース(MEGAFORCE)』だった!(きっぱり)

この号で紹介されている映画は他に『ブレードランナー』、『キャットピープル』、『コナン・ザ・グレート』などありますが、今回は『メガフォース』で。今回やっとかないと二度と語る機会がなさそうなので。
設定によると、メガフォースとは、西側各国(まだソ連があった頃ですからね)が国際紛争、侵略戦争の解決のために超エリート戦士を集めて設立した超兵器緊急機動軍団なのだ。
その数 38,000人。階級を持たず、厳しい訓練を続け、力による自由と平和の確立を任務に日夜活躍しているのだ。
だそうだ。
「力による自由と平和」。
なにかひとこと言ってやりたい気もするが、ここはがまんしよう。
そのエリート軍団を統べるのは隊長のエース・ハンター。
階級は無いけど隊長はいるのだ。
この映画、私も劇場で観ましたが、特殊車両が砂漠を爆走してる場面しか浮かんできません。ただそれもテレビCMで流れた場面が刷り込まれてるだけかもしれません。なんで観たんでしょう?
あ、あとメガフォースの秘密基地が光学的に遮蔽されていて、敵に見つからないようになってるんですがそれが素朴な合成で表現されていたのを覚えてます。バイクがビューンって走ってくとパッと消える、みたいな。1982年といえば私が二十歳になった年。なんで観たんでしょう?
テレビCMがバンバン流されていたのは覚えてます。なんかテーマソングも頭に残ってます。なんで観たんでしょう?二十歳の僕。

そのころスタートレック映画はタイトルに悩んでいた

月刊スターログには「STARTREK FORUM」というスタートレックのための専用ページがあって、毎号、濃いけど小さいけど濃いスタートレック関連の情報や、濃い読者のお便りを載せていました。
この号は劇場版第二作の直前だったらしく、第二作のタイトル(原題)の変更騒動が伝えられています。

一時は “The Vengeance of Kahn(カーンの復讐)” に決定したと伝えられていた ST・Ⅱのサブ・タイトルが、急遽 “The Wrath of Kahn(カーンの亡霊)” に変更になった。実はこれ、83年5月に “The Revenge of Jedi(ジェダイの復讐)” の公開を予定しているルーカスフィルムが、まぎらわしいと横槍を入れたため。

あれ?
あれれ?
そんなことがあったのね。
結局、スタートレックⅢの原題は“The Wrath of Kahn(カーンの亡霊)” で決定、スターウォーズⅢは、「ジェダイは復讐なんかしない」という理由で原題は “RETURN OF THE JEDI(ジェダイの帰還)” に決定。邦題はそれぞれ「カーンの逆襲」、「ジェダイの復讐」で日本公開されましたね。ややこしい。やや、ややこしい。
日本では「亡霊」より「逆襲」のほうがいいだろ、と誰かが決めたんだろうけど、スターウォーズには「帝国の逆襲」もあるからね。「カーンの帰還」でも内容的には合ってるけど、ってもうやめよ。

そのころ読者は映画のテレビ放送のカットに怒っていた

「Laserbrast」っていう日本未公開映画があって、全体としてはたいしたことないB級映画だけど、冒頭にトカゲ型宇宙人が出てくるシーンがあって、そこだけは見る価値あるよ、という紹介を誰かが(中子真治だった気がする)していて、しばらく幻の映画だったんだけどとうとうテレビ放送されたんですね、このころ。テレビ東京で。
私もその冒頭のシーンを楽しみに見たんですけど、その肝心のトカゲ宇宙人のシーンが全部、カットされてたんです。きれいさっぱり。あんなに「きれいさっぱり」という言葉がぴったりくる事象を私は他に知りません。
本来は、地球上空で宇宙人同士が戦闘していて、使っていた兵器(腕にはめるレーザーライフルみたいの)が地球に落ちてきて、それを拾った地球人の青年が装着して大騒動、というお話なんですが、テレビ放送では地球人の青年がレーザーライフルを拾うとこから始まるんですね。
「なんだこりゃ?」ビビョ〜ン、ドガーン!(レーザーが発射されて岩が砕け散った音ね)「こりゃスゲェぜアッハッハアッハッハ」ビビョ〜ン、ドガーン!ビビョ〜ン、ドガーン!ビビョ〜ン、ドガーン!って感じで。
もうこれは冒頭のトカゲ星人目当てに早めに銭湯に行ってテレビの前で15分前から待機していた学生さん(俺だ)はガッカリですよ。テレビ局だけでなく、もうなんか期待させたスターログや中子真治(たぶん)まで悪いみたいな気持ちになっちゃったわけですよ。
というわけでこの号では読者のお便りだけでなく、SF-TVのコラム欄を持っていた徳木吉春もその件に触れている。
もうひとり『真田幸村の謀略』のテレビ放送時のカットに怒っている読者もいて(SFっぽいところが全部カットされていて、友人にこの映画を勧めていた自分は信用を落としてしまったんだって。お気の毒)、当時、映画のテレビ放送がいかに貴重だったかを思い出させる。言うまでもなく、今の方が恵まれているが、こういう気持ちはそれはそれで大事な経験だとこの歳になると思うんですよねぇ。あのころに戻りたいとはぜんぜん思わないけど。

そのころ読者はこんなものを欲しがってた

スターログの読者コーナーには「WANTED」とか「FANCLUB」というコーナーがあって、欲しいものを探したり、ファンクラブの会員を募ったりしていた。住所も名前も丸晒なのは今では考えられないが昔は普通だった。
この号で求められていたのは、キネ旬「世界怪物怪獣大全集」「世界SF映画大鑑」、星野之宣に関する物なんでも、制作中の映画(自主制作?)「大怪獣ギゴラ」の制作スタッフなど。
完成したのかなぁ、「大怪獣ギゴラ」。ちょっと気になります。

というわけで、「オトーは月刊スターログと」#4はここまでです。#5までごきげんようさようなら。

オトーは月刊スターログと[総目次]

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