ジェイソンは飛び出し、ジョン・クリーズはバッサリ切られ、『E.T』は『ブレードランナー』に敗れる!思い出だけが心のささえ。「オトーは月刊スターログと」第21回はじまりますよ。

月刊スターログ日本版NO.55:1983年5月号 定価680円

表紙

目次

オトーはつい先日55歳になりました記念でNo.55。というのは嘘でまったく偶然です。
巻頭ピンナップ、表のカラーは公開間近の『STAR WARS RETURN OF OF JEDI』より、スターデストロイヤーが作りかけのデススターに向かっていて、タイファイターが4機と名前知らない機体が1機同じ方向に飛んでる絵柄。下の青い星はエンドアかな?ダース・ベイダーがデススターの建設工事の遅れを怒りに来たところだと思います。現場監督みたいな人がベーダー卿に脅されて、観客が「さすが帝国、ブラックだぜ」と恐怖を感じるシーンですね。東京オリンピックに向けての国立競技場建設現場もこんな感じなんでしょうか?

「都知事がおこしになった時にそう申し上げるがいい」
「シ、シフトを5倍にします」
「そのほうがお前のためだ現場監督」
ピンナップ裏のモノクロは『さよならジュピター』より、TokyoⅢのミニチュアモデル写真。ちゃんと塗装される前の写真のようでざっくり作ったプラモデルみたいな写真です。
本文にも『さよならジュピター』のスタッフ、キャストも決まり、いよいよ本格的な撮影に突入という記事と、ミニチュアモデルの写真が何枚か紹介されています。

そのころ『13日の金曜日』は3Dだった

短い記事ですが、ホラー映画の人気シリーズ『13日の金曜日』の第3作が3D上映であることが報じられています。『ジョーズ』もそうでしたが、シリーズパート3だから3Dでやりたくなるものなんでしょうか。
記事では赤青メガネ時代からの立体映画の解説もしてくれてます。
私も子供のころ『飛び出す冒険映画 赤影』とか観に行って、赤影さんたちに言われるままに赤青セロハンが貼られた仮面をつけてみましたが、ちっとも飛び出して見えませんでした。飛び出さないじゃん、と思って仮面をはずして見ると、画面が赤と青にブレた感じで、「ああ、これが立体映画というものか」と無理やり納得して、せっかくお金を払ったんだからと、飛び出して見えるか見えないかは問題ではなくて、赤と青にブレた画面を赤と青のセロハンを貼ったメガネで見るのが立体映画なんだと思うことにしました。
のちに、この方式の映像と赤青メガネがついたDVDボックスを買いましたが、その時は無事、飛び出して見ることができました。
思ったのは、この方式で飛び出して見えるためには、見る方にちょっとしたコツというか、心がまえというか、信じる心、みたいなものが必要なんだな、ということでした。
赤青3Dを第1世代とすると、『13日の金曜日3D』は第3世代の3Dだそうですが、最近のはもっと進化してるんでしょうね。もう「信じる心」などなくてもイヤってほど飛び出してきます。

 

そのころ『バンデットQ』はカット上映されていた

石上三登志が連載コラムで『バンデットQ』“TIME BADITS” の短縮版上映を嘆いています。というか怒り狂ってる。日本公開版のことですね。
コラムの大見出しは「『バンデットQ』はなぜカット上映されなければならないのか?」。
「なぜ」の部分は、『バンデットQ』が日本では「子供映画」として上映され、それゆえ子供には理解できない誇張ぶりと考えられたシークエンスがカットされたのではと推測しています。そしてそんなことしちゃダメだろとていねいな解説で怒り狂ってます。
今では完全版がソフトで観られるので、むしろ短縮版を観たいくらいですが、オリジナルの上映時間が116分、日本公開版が103分ということなので、13分短縮。
石上三登志が観た試写では、ロビンフッドのところと船にすんでる怪物夫婦のところがバッサリ丸ごと無かったそうです。
モンティ・パイソンのひとり(って言い方でいいのか?)ジョン・クリーズがロビンフッドを演じていますが、それが丸ごとカットって、そういうことが許されたんですねぇ。
このコラムのオチは、映画評論家森卓也からの電話。森卓也が観た試写では、最後の両親が爆発するシーンがカットされていたというのだ。石上三登志は、もうヴィデオで『タイムバンディッツ』観るからいいよ、みたいなあきらめの言葉でコラムを締めている。
今ならSNSで大騒ぎ、こんなカット版なんか観るな運動に広がりそうな事件です。
で、何ページか後にある羽仁未央の連載コラムのタイトルが、「カットされていても、やはり “バンデットQ ” は必見!」。
『E.T.』のエリオットは明るいおとなになって、ひと夏の切ない日々をふりかえるビジネスマンになりそうだけどケビンはそうはいかず、どうであれ “BANDITS” のままだろうというようなことを書いています。
そしてカットについては、まるまる観たいのは当然だけど、「カットされてるやつなんか観に行くのソンだよ」とか、これから観に行く人に「あんなの観てもしかたないよ」なんて思わないようにしようね、と、熱心なファンが走りそうな方向をそっとたしなめてます。そして「公開されるだけでもうれしい映画ですこれは」と締めてます。

 


(よけいな話ですが、今号のこのコラム、「羽仁未央」を「羽仁未史」に誤植してます。マジマジ。34年前の誤植発見。もうなんか考古学気分)

証拠写真

そのころ『E.T』より『ブレードランナー』だった

この号は ’82スターログSFベスト10の発表号でした。
見出しは「意外や意外!!SF映画の1位はETではなかった!
では映画部門1位に輝いたのは?

映画部門

『ブレードランナー』1,272点
『E.T.』890点

もう圧勝ですな。
“どうせみんなが『E.T.』に投票するんだからと、あえて他の作品を選んだ結果『ブレードランナー』が第1位になった” と分析していますが、現在の評価でいうと順当な気もします。
むしろ3位『ポルターガイスト』、4位『遊星からの物体X』、5位『転校生』の並びと得点が意外に思えます。
7位『メガフォース』164点。うーむ。

その他の部門も写真載せておきますので懐かしむなり得点を分析するなりしてSF考古学者気分を味わってみてください。ただ、組織票オッケーの投票で、ひとりで240枚もハガキを送ってきた人もいるランキングなので、作品名を見て、「ああ、そんなのもあったねぇ」くらいでいいのかもしれません。

 

ベストアニメーション映画とベストSFX

ベストTVシリーズ

コミックス部門

長編コミック部門、『アキラ』7位。連載中だと思いますがどの辺だったんでしょう。

というわけで。ほのかな疑問を残しつつ、「オトーは月刊スターログと」#21はこのへんで失礼させていただいてよろしかったでしょうか。#22まで、ごきげんよう!さようなら!

 

blinkkisi