日々棒組み713 「わいせつ」で思い出すことなど

政治家、官僚、メンバー。この世は「わいせつ」だらけである。
嘆かわしい。
と同時に、テレビで「わいせつ」という文字を見かけるたびに思い出すことがある。

あれは長男ショウヘーが幼稚園に入って間もないころ。
平日の朝。
登園の支度で、やや大きめの新しい制服を着せられていたショウヘー。
母親にボタンを留めてもらいながらニコニコしている。
幸せ家族の朝のひとコマ。
ニコニコしながらショウヘーが言った。

「わ い せ つ」

な、何を言い出すんだこの園児は、と思ったら、テレビに「わいせつ」の文字。
ひらがなを読めるようになりたてだったショウヘーは、家でも外でもひらがなを見かけると、意味など分からなくても喜んで声に出して読んでいたそのころ。その時もテレビに映し出された文字をただ読んだだけだったのだ。読めるのがうれしくて。
幸せ家族のほほえましいひとコマ「わいせつ」。

テレビで報じられる政治家、官僚、メンバーの「わいせつ」事件を見るたびに、その嘆かわしさに眉をひそめると同時に、かわいかったあのころのショウヘーを思い出して頬を緩めてしまうという、ものすごく高度で複雑な表情になってしまう私であった。

 

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