日々棒組み716 ブラック親父はすっかり置き去り

えと。
この話はしたんだっけ?アヤがなかなかLINEスタンプを作ってくれなくて私が自分で作ることにした話。
あ、そこまではしたんだよね、書道部のTシャツデザインのカエルを描いてくれって言われたとかそういう話題の時に。
そうなんだよ。
で、せっせと描いてるんだよ。自分で。カエルを。
アヤもゆっくりとでも制作していってくれればいいのにな、と横目で彼女の動向を見守っているブラック親父なのでした。

連休には少し進捗があるかな、と期待していましたが、絵を描いてるかと思えば好きなアニメのキャラだし、友達と名探偵コナンの映画を観に行って帰ってきたら、
「安室最高〜安室最高〜、福山雅治天才〜」
とうわごとのようにつぶやくばかりで何もしない。
翌日は別の友達とまたコナンの映画を観に行き、その翌日はオタク仲間を家に呼んでビデオ鑑賞会。
そんなこんなで進展ゼロのままゴールデンウィークは終了。
日常に戻ったので、計画的に少しづつでもスタンプ制作を日課に入れるよう導こうかと企んでいたブラック親父でしたが昨日。
なにやら塾の面談があるとかで母親と出かけて行った。
ついこないだまで志望校合格を目指して呆れるほど勉強していたのにまた塾とは忙しいこった、と私は発泡酒を飲みながら、録画していたアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6話「厄運のすねこすり」を観て涙したりしていた。

やがてふたりが帰宅。
アヤは、全盛期の浅田真央のようにくるくる回りながら部屋に入って来て、ピタリとポーズを決めるとこう言った。
「私は今日から受験生」

はい?

どゆこと?

また高校受験するの?
なんかやらかして退学になったの?
アヤはポーズを変えるとこう言った。
「私は今日から大学受験生」

え?
嘘。

なにやら塾の面談は大学受験に向けてのプログラムに関してのものだったそうで、アヤはすっかり大学受験モードに。
生徒のやる気を引き出すいい塾だ。いい塾だとは思う。
思うがしかし。
この、
ここにいるブラック親父のことも、
ブラック親父めのことも、
少しは、
少しだけでも、考慮してはいただけまいか浅田舞。
せっかく大学受験にやる気を出している娘の耳元で
「まぁまぁそれはちょっと横に置いといてホラ、LINEスタンプで小遣い稼ぎ、どう?」
とか言うのはさすがにクソ親父だよなぁ。できないなぁ。
ブラック親父は良くてクソ親父はダメなのかって物差しもよくわかんないけどクソ親父はダメだな、クソ親父は。

というわけで。
アヤさんのLINEスタンプは大学受験が終わってからなので、3年後くらいになります。
それまでさらばブラック親父。
そして、それまでLINE、生き残っててくれよ〜。

 

blinkkisi

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