歳のせいでしょうか?
あの楽しかった旅行の記憶も日に日に薄れてまいります。
そう。
まるで蜃気楼のように。
記憶が薄れて嘘八百並べたて始めないように、今回で最終回にしたいと思います。ビシッと終わらせます。愉快な仲間の魚津・宇奈月温泉の旅、第二日目の第二回そして最終回。ややこしい。

というわけで、埋没林博物館で埋没林のみならず蜃気楼についても理解を深めた一行(前回参照→愉快な仲間宇奈月温泉の旅 第3回 カボチャ電車で富山の車窓からの埋没林博物館でお勉強まで
蜃気楼観測レベルにはその見え方の段階によってAからEまでのランクがあり、前日の6月2日は「レベルE」だったことも学びました。
ちなみにレベルEは、

“十分な予備知識をもって双眼鏡などを使用しないと観察が困難。(双眼鏡でも識別に経験を要する。)”
魚津埋没林博物館公式サイトの表記より。以下同]

でした。
なんでしょう。予備知識と経験を問われるリトマス試験蜃気楼とでもいいましょうか。
もうなんか裸の王様レベル。
前日がレベルEなので今日もその近辺ではと予想されますが、Eの下のレベルDは、

“予備知識がない人や、双眼鏡などを持たない人は、大半の人がわからない。(「双眼鏡で識別できるが短時間」など。)”

でした。
なんでしょうこの微妙な表現。
蜃気楼を楽しみにやってきましたが、ややテンションが下がる一行でありました。
ちなみに最高のレベルAは、

“予備知識がない人や、双眼鏡などを持たない人でも、満足できる。(肉眼ではっきり識別でき、長時間(約2時間以上)にわたり複数の方向に現れる鮮明なすばらしい蜃気楼。)”

これこれ。知識がなくても双眼鏡を持っていなくても「満足できる」「鮮明なすばらしい蜃気楼」。こういうの見たいよなぁ。

埋没林博物館を出ると蜃気楼観測ポジションはすぐわかりました。防波堤に沿って、三脚にごついカメラや双眼鏡を据え付けた人々が並んでいたからです。
私のおもちゃみたいな「自称光学よんせんばい」とは違う大口径荷電粒子砲みたいな実戦装備の数々。ア・バオア・クーで連邦軍を迎え撃つジオン軍を思わせるような陣容でありました。
あ、それじゃ負けちゃうのか。やらせはせんやらせはせんぞぉ!ってそれはソロモン。

そんなことはどうでもよくて。
ぞろぞろとそちらに向かい、海側をあちこち見回しましたが蜃気楼らしきものは見えず、周囲で観測している人も装備を放置したままのんびり歓談している。蜃気楼は出現していないらしい。レベルE以下だな、こりゃ。まぁ、見える確率40%だしねー。

とりあえず蜃気楼が見えるのならこっちかな、あっちかなという方向にカメラを向け、「蜃気楼見えなかったけど見えるとしたらこっちとか写真」を少々撮っておく。


蜃気楼レベル外の光景。

そんなことをしていると、近くで三脚に据えた双眼鏡を覗いていたおじさんが、誰にともなく、
「あー少し出てきたなこりゃ」
みたいなことを言い出した。
愉快な幹事が話を聞くと、右の方の灯台の二階の窓が少し伸びてきたとのこと。
言われた方向を見るが、そもそも灯台がどこにあるのかわからない。
愉快な幹事が双眼鏡を覗かせてもらってからそっとつぶやいた。

「窓が伸びたって言われてもなぁ。もともとどんなだったか知らないもんなぁ」

そうだよね。これは「大半の人がわからない」レベルEと勝手に認定。しかしレベル外からレベルE。ちょっぴり進歩。
おじさん(後で聞いたところによるとボランティアで蜃気楼解説をしているらしい)は、

「これであっちにも出るとわかりやすいんだけどなぁ」

と、窓が伸びてる(らしい)灯台の反対側(海に向かって左側)を指差しながら言った。
言われる方を見てみたが、よくわからなかった。
我々には蜃気楼は難しかったな、と軽い敗北感を抱きながら移動を開始すると、さっきのおじさんと同じように三脚に双眼鏡を据えた今度はおばさんが、

「あ、伸びてきた。ほらあそこが伸びたがってるよ!」

双眼鏡はさっきのおじさんが「あっちにも出るとわかりやすい」と言っていた方向にばっちり向いている。
でも。
え?
伸びたがってる?

蜃気楼の謎を残しつつ第5回につづく。

って最終回じゃないじゃん!

今度こそ最終回→第5回へ!

kiridasioto