「カネのなる木って欲しいと思わない?」

塾へ行くために車の助手席に乗り込むなりアヤが言った。

「あ?ああ、欲しいよねぇ」

最近のアヤさんは金欠である。
ゲーム、アニメのキャラへの愛は強まるばかりでなにかとお金がかかるらしい。
悪い男に貢がされてるような不快感。おのれアニメイト。
なんてことはぜんぜん思ってなくて、好きなものにお金を使いたいという気持ちは、“憧れ” みたいなものが枯れつつあるおとっつぁん(私)にはむしろうらやましい。

でもカネが無いから使えない、と。使いたいけど使えない、と。女子高生の悩みは尽きない。

だからさぁ。
お父さん言ったじゃん。LINEのスタンプ作ればあちこち宣伝してあげるよって。いくらかは収入になるよって。
まぁ小学生のお小遣い程度かもしれないけどさ。無いよりましじゃん。
LINEのスタンプも今や飽和状態で、よほど何かないとあまり売れないんだけどさ。

「スタンプは作るつもりだけどさぁ、他にもなんか無いのかなぁ、お金になること」

美しい “憧れ” の持ち主もたやすく“カネの亡者”に変わる。おのれ資本主義。

しょうがないので私の副収入源を教えてあげた。
まずはamazonのKindleストアで販売している電子書籍。
時々思い出したように売れたり読まれたりして売り上げが発生してる。
これのすごいところは少額でも振り込んで来るところ。気がつくとamazonから78円とか振り込まれてる。
道で小銭を拾うよりは確率が高い。

次はブログの広告。
私はブログの広告は自分で作ったものの宣伝以外はamazonの販売リンクしか貼ってないが、このリンクからamazonに行った人が買い物してくれるといくらか収入になる。
同じアマゾンだが、こちらは5,000円以上にならないと振り込まれない。
ちなみに私はまだ現金を振り込まれたことはない。
えーと、あとは、あ、もう無いや。
そんだけ。
どれもこれも心細い限りだ。

だが娘よ。
自分が作ったものを誰か知らない人が買ってくれるというのは金額と関係なくうれしいものだよ。
amazonでレビューが付いたりすると泣きたいくらいにうれしいぞ。
でもそのうれしさを本当に感じるためには、ズルしたり近道したり効率だけを優先させてはダメなんだ。
手を抜いてはダメなんだ。
作った現物そのもので勝負する覚悟がなければダメなんだ。
それが無ければすべての宣伝や売り込みや計算はただただ虚しいだけなんだ。

アヤちゃん。
逃げずに創作しよう。
お父さんもそうするよ。

あれ?
きょうは何の話だったっけか?

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