諸々事情を抱えた少年と少女、サムとセイディが出会って、通常の男女の情みたいのより強い力で惹かれあってくっついたり同じくらい強い力で反発して離れたりしながらそれぞれ大小の災難に遭いながらそれぞれ乗り越えたり乗り越えられなかったりして、それでも人生は続いていく、ってお話でした。
そこで重要な、というか不可欠な要素になっているのが “ゲーム”。
二人が出会った時はプレイヤーとして認め合い、やがてゲームの共同製作者として大ヒットゲームを作ることになります。
その過程で二人が男女の恋愛感情とは別種の絆で強く結ばれているとわかります。と思ったら男女の恋愛感情に負けちゃったりします。
ゲーム製作に関して意見が分かれたり、お互いの状況にジェラシーを感じたり言いたいことをあけすけに言い合ったり言いたいことを言えなくてお互い傷ついて、やがてそれは修復できいくらい大きくなったりします。心だけでなく肉体も傷だらけになったりします。なかなかハード。
書いている作者の心も傷だらけだったのではないでしょうか。
でもとてつもない成果物だと思いました。
読んでいてこっちの体に来る描写もたくさんありましたが、おかげで登場人物と一緒に人生を送っている気分を味わえました。

あと、自分でもゲームを作ってみたい気になりました。
ずっと前にちょっとだけ手をつけてあっという間に挫折しましたが。
死ぬまでに一本でも作ってみたいなぁ。
傷だらけになるのはいやだけど。
コメント