特急ゾンビ大暴れ!映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』“부산행” (英題 “Train to Busan”) を観たら

世界にはいろんなゾンビがいるんだなぁ。
Kゾンビはとってもパワフルでした。なんていうんだろ、“不屈” でしたね。どこまでも追いかけてくる。
お前ら何でそんなに必死になって襲ってくるんだ?
ゾンビの行動に対して “必死” という言葉はちょっと不適切かもしれませんが。

 


ただ、一応これ “ゾンビ映画” というくくりではあるようですが、従来のゾンビ定義にどれだけ沿っているのかはわかりません。
噛まれて感染してゾンビっぽくはなるんだけど、死んでないような気もする。「頭部を破壊されなければ活動を続ける」っていうお約束も、特にそうとわかる描写はない。
そういうとこが怖いんだけどね。どういう存在かわかんないただ襲ってきて、噛まれたら同じようになっちゃうっていう、なんかわかんないけどああなっちゃうって。

あと、噛まれると(多少個人差があるみたいだけど)あっという間にゾンビ化しちゃう。ゾンビ映画にありがちな、噛まれたやつが「俺がゾンビになり始めたらこれで撃ってくれ」「俺にはできねぇよ!」「頼む。お前の手で撃ってほしいんだ」みたいなやりとりしてる暇は一切ありません。噛まれたらすぐゾンビ。笑っちゃうくらい早い。
ゾンビ化した友人と遭遇してそれを手にかける切なさはあります。

ほとんど特急列車の中や駅が舞台ですが、その外でも事件が起きている様子。でも列車の中からは断片的にしかわからなくて、登場人物と映画の観客が状況(のわからなさ)を共有している状態。

父と娘、ホワイトカラーのエリートと荒っぽいブルーカラーの葛藤、なんかもうゾンビより腹立つ自分勝手なやつ(ら)との闘い、列車パニック物に欠かせない妊婦、と、様々なものを乗せて特急列車は走り続けます。ゾンビも乗せて(時々落として)。
そして列車の車両は、ある時は逃げ場の無い閉鎖空間、ある時はゾンビを締め出す安全地帯と目まぐるしく変わります。
終盤の集団ゾンビの襲撃シーンには、ハラハラドキドキしながらも、つい笑っちゃいます。なぜそこまで一生懸命襲ってくるんだお前ら。
でも立派なゾンビっぷり、あっぱれでした。
『グエムル-漢江の怪物-』もそうでしたが、お父さんががんばる、というかがんばれよ、みたいなものも話の軸になってました。観客層を想定してなのか、作り手の願いなのか、普段はともかく「いざとなったら頼りになるのがお父さん」て感じでした。
長さも程よくて(1時間57分)、有給休暇を取った昼下がりに観るにはちょうどよかったです。あまりグロテスクでもなく、アクション寄りで観やすい映画だと思いました。

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