映画『ベン・ハー』を観たよ

＊思いっきり映画の内容に触れています。

瓦屋根職人の品質偽装手抜き工事により財産も家族もすべて失ったベン・ハーが、どん底からのし上がり復讐を遂げ、家族を取り戻す物語。
復讐の相手は瓦屋根職人ではなく旧友のメッサラ。
冒頭でベンとメッサラは再会し、旧交を温めるが、征服者ローマのメッサラと、征服されている側のベン・ハーはあっという間に仲たがい。
観客を飽きさせないはやい展開。
物語を旧友の再会から始めると昔話で過去の出来事を説明できて便利なのだが、こいつらは仲たがいして将来まで予感させてしまった。お見事（か？）。

その後瓦職人の手抜き工事を口実に、ベン・ハーは奴隷としてガレー船送りになりました。
ガレー船でのベン・ハーは、ビラビラした薄茶色のパンツ一丁で、まるで猿の惑星に不時着した宇宙船の船長のようでした。
なんだかんだあってローマの偉い人の養子になったベン・ハー。さらになんだかんだあって戦車レースに出て、結果的に、自分と家族を不幸のどん底に突き落としたメッサラに復讐を遂げたのでした。

その後家族（母と妹）を助け出し、二人の病気も治ってめでたしめでたし。
正味約三時間半の大長編映画。うかつに瓦屋根には触るなよ、という教訓を残しました。現代の建築安全基準偽装の危険性を警告する優れたテーマといえましょう。

今回BSで放送された吹き替え版で鑑賞。チャールトン・へストンは納谷悟朗さんではなく、ハン・ソロだったよ。
『ベン・ハー』は3回映画化されているそうだけど、今生きてる人が『ベン・ハー』つったらこのチャールトン・へストン版だよね。ウィリム・ワイラー監督の1959年のアメリカ映画。
1959年というと日本では『宇宙大戦争』が公開された年。アメリカ人が戦車レースで喜んでたころにロケットで悪い宇宙人をやっつけていたのだ。われわれ日本人は。