627 スーパーリズマーたたらを踏む の巻

三連休初日の出勤土曜日のきょう。
って働いてんのかい俺。
はい。働いてました。
まぁそれはいいんだけど。いちにち働いての帰りの電車。
amazonビデオで『インディジョーンズ最後の聖戦』を観ながら乗り換え駅のホームに降りたらそこにいたんです。
ほぼ金髪で、ぺったりした顔でかなりの細身で、ほぼ真っ黒ファッションで、そして、両足で過剰にリズムをとる女。

もう尋常じゃないリズミング。
作動してるのは膝から下だけなんだけどえらい落差で頭部が上下してる。
すげー。これが世に言うリズミアンか?誰か言ってるか?そんなこと。
画面ではインディがネズミの大群に襲われてるが私はリズム女から目が離せない。
各駅停車の電車が着き、リズム女も同じ車両にリズミカルに乗り込む。
そして車内でもリズミング。走り出してもリズミング。ずっと一定のリズムで上下動を続けている。
だが。

駅に到着寸前の減速時。今まで膝から下しか動いていなかった体が大きく進行方向に傾いたかと思うと、

タカタッタッタカッカッ!

彼女のヒールがさっきまでとまったく違うリズムをきざみ、両腕が平泳ぎのように大きく弧を描いた。画面ではモーターボートの上でインディが誰かと殴り合ってる。

なんだ今の。
そういう踊りか?
いや、減速の加速度で踏み外しただけだよな。

電車の扉が開き、閉まり、そして彼女は再びリズムをとり始めた。何事もなかったように。
お前、学べよ。ラーニングしろよ。それじゃまたタカタッタッだぞ。今度はタカタッタッタッタ、タタタドンッ!かもしれないぞ。かっこ悪いぞ。
インディがデカい船のスクリューに巻き込まれそうになってるがそれどころじゃない。もうすぐ目の前でタタタドンッ!なのだ。

だがしかし。スーパーリズム女は。
次の駅が近づき、最初の減速が始まった瞬間、ピタリと動きを停め、逆Vの字に広げた両脚で大地にしっかり踏みとどまったのである。大地じゃないけど。

しっかり学習していたのだ。スーパーラーニングしていたのだこのリズム女。もうすぐ英語ペラペラだ。
次の駅は私が降りる駅であったが、リズム女の降りる駅でもあった。
リズム女はすでに「普通に歩く女」となり、普通に改札を抜けていった。
インディは美女とののしり合いながらブチュブチュキスしてる。
何やってんだお前。


linelink01

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