日々棒組み670 夢見る少女は地下をめざす

夕食どき、妻が言った。

「アヤは地下都市を作るんだって」
「え!なんで?」
「北朝鮮からミサイルが飛んでくるから地下に逃げるんだって」

そ、そうか。

緊迫するアジア情勢は高校受験を控えた少女の心にも影を落としているようだ。
しかし、地下シェルターではなく地下都市。
中二病どころか間もなく中学を卒業するお年ごろにしてはスケール感がちょっとおかしい。
ちょっとおかしいが、「お父様お母様今日までありがとう。私シェルター作るわ」とかいって庭をスコップで掘り始めたりしても困るので、両親としては着手が困難な「地下都市計画」を支持することにした。
偶然にも、録画していた『天空の城ラピュタ』を観ていたら、オープニングで地下を掘り進むマシーンのようなものが出てきた。
妻「アヤ、ほらほら、地下掘ってるよ。ああやって地下都市作ればいいじゃん」
アヤ「あ、ほんとだ。ジブリの人に訊けばいいかな?」
妻「そうだよ。ハヤオに訊けばいいんだよハヤオに。訊いてきなよ」

そこらにいるのかハヤオ。しかも世界の宮崎をカタカナでハヤオ呼ばわり。
しかしアヤさん。
君が本当に逃げたいのは北朝鮮のミサイルではなくて受験勉強だってことをお父さんは知っているよ。

 

タイトルとURLをコピーしました