みんな問題児(大人も)。でも大丈夫。映画『ムーンライズ・キングダム』“Moonrise Kingdom”を観たら

amazonプライムビデオで週末100円レンタルになっていたのでお得に鑑賞。
『犬ヶ島』のウェス・アンダーソン監督の、12歳の少年と少女の駆け落ちのお話。
やはり島が舞台で少年少女が活躍して、そうそう犬も出ます。ええ。犬も出ますよ出ますとも。

ムーンライズ・キングダム(字幕版)

ボーイスカウト(劇中では「カーキスカウト」と言ってます)の隊の嫌われ者サム・シャカスキー(12歳)は島でのキャンプ中に脱隊を伝える書き置きを残して脱走します。
隊長は隊員たちにサム捜索を命じますが、隊員は乗り気ではありません。
同じ頃、やはり12歳の少女スージー・ビショップも大荷物を抱えて家出します。
一年前に恋に落ちた二人は文通を続け、今日、駆け落ちすることにしたのです。

ボーイスカウトの隊長と隊員、隊の飼い犬スヌーピー(!)、スージーの両親、スージーの母と不倫関係にある警部といった人々が二人を追います。
追跡が始まるまでは独特のユーモアで笑えるのですが、追跡が進むにつれ、サムとスージーのいろいろな「事情」がわかって来ます。
二人とも家族(サムは里親)に「問題」として扱われていたのです。
この辺りが二人が惹かれあった理由なんでしょう。
お互いにそんな事知らないままあっという間に恋に落ちますが、そのあたりがこの物語の「魔法」ですね。これを「なんで?」と思わせてはダメで、映画全体を不思議な雰囲気が包んでいるので、そうあるべきだと納得してしまいます。
時代設定が1965年なのも大事な要素なんだと思います。魔法の。

二人の事情がわかって来て話が重くなるかというとそんなことはなく、あちこちで吹き出すようなシーンがたくさん出て来ます。
追跡するボーイスカウトの隊員は、弓矢やナイフ、トマホーク、木の棒に釘を打ち付けた凶器を手にサムを追います。
捜索じゃなくて狩りです。
そんななので怪我人も出ます。
アンダーソン監督は怪我人好きですね。
あと犬のスヌーピーがひどい目に遭います。
アンダーソン監督は犬をひどい目に遭わせますね。
ああスヌーピー…。

最後まであれこれ起こっていちいち笑えてでもやっぱり少年少女がお互いを思いやる恋のお話って素敵だなと、60歳近いおっさんに思わせてしまう傑作でした。必見の映画と言っていいのでは。1時間半くらいで短いので気軽に観られます。

blinkkisi
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