夏休み映画劇場2:それじゃどこにも住めないじゃんか。『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』を観たら

夏ということでホラー映画をチョイスしました。
前から観よう観ようと思っていてなんとなく順番待ちになってましたが観ちゃいました。
原作小説があるものですが、映画も活字好きに向けているのか、「言葉」で怖さを積み上げていくというか恐怖に導いていくというか、そんな映画でした。

『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』

投稿実話怪談を雑誌に載せられるように文章にまとめる作家「私」(竹内結子)の一人称でお話は進行します。
「私」は基本、怪談めいたものは信じていないようなのですが、彼女のところには商売柄たくさんの怪談が集まってきます。その中の別々の投稿に関連性があることに気づいて、そもそものきっかけになった投稿をした久保さん(橋本愛)と一緒に調査することになります。

無関係だと思っていた事件が意外なところで繋がっていくのはミステリーとかでよくありますが、この映画ではそれがどんどん繋がっていきます。ミステリーだったら許されないほどホイホイ繋がって、時間も遡っていきます。
そして、つながれば繋がるほど嫌な話になっていきます。あーやだやだ。

ただ、一人称形式なので、検証で出てくる怖い場面も「私」が聞いた話からの再現ビデオみたいなもので、劇中での実話ではない感じなんですね。だから観てる方はいろいろ考えて観入っちゃうんですが。
終盤、映画内の事実恐怖シーンになっていきますが、その頃には観客はすっかり引っ張り込まれてるという寸法です。

しかしこの映画の理屈だともう怖くてどこにも住めませんね。
逆に「事故物件」とか気にしてたらキリがないから気にせず生きてけよ、という隠れたメッセージがあるのかもしれません。
いずれにしろこれからはちょっと音がしたくらいで大騒ぎせず、聞こえないふりを通して生きていこうと思いました。

原作も読んでみようかなぁ。

残穢(ざんえ) (新潮文庫)

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