日曜日にだらだら遅く起きてだらだらし続けていると、テレビで『NHKのど自慢』が始まることが割とよくある。すると、
「ああ、この日曜日ももう『のど自慢』の時間になってしまったのだなぁ…」
『のど自慢』始まりなば月曜日遠からじ。
と、何だかたそがれた気持ちになる。まだ昼だが。
アニメ『サザエさん』を見てそんな気持ちになる人もいると聞くがこっちは6時間も前にたそがれちゃってる。まだ昼なのに。
こんな、労働者の気持ちを沈めてしまう『NHKのど自慢』であったが、最近ちょっと印象が変わってきた。
面白いのだ。だらっと見てても(だらっとしているほど面白いのかもしれないけど)。
いやほんと。
歌唱力に比べて過剰に情熱を叩きつける出場者(鐘ひとつ)
張り切って激しく踊り、息を切らしているピンクレディ世代の女性二人組(鐘ふたつ)
異様に歌がうまい父娘(鐘たくさんで合格)
決して歌が下手なのを嗤ったりというような気持ちではなく、そういうのとは違う何か温かい「人間への共感」みたいなものを感じる。鐘ひとつに「あー」とか声出したりしちゃう。
「のど自慢」なので歌がメインだが、その合間に挟まれる出場者のちょっと笑えるエピソードや人情話に笑ったりほろりとしたりしてる。
大好きなおばあちゃんに教えてもらった歌を歌う女子中学生など、歌唱力に関係なく鐘を乱打してあげたくなる。
そのおばあちゃんは亡くなってるんだと勝手に思ってたら会場に応援に来ていて、見たら私よりずっと若かった。そりゃそうか。
時々見られる、司会者と出場者の歯車がずれたようなやり取り、ゲスト歌手が自分の持ち歌を歌っている出場者の背後からそっと忍び寄るお約束の場面、どれもこれも楽しい。いや、愛おしくすらある(失礼だが、ゲスト歌手が普通に歌う時間が一番つまらなかったりする)。
いつかは私も出場したいものだ『NHKのど自慢』。嘘だ(出場はしたくないが会場に行ったらめちゃくちゃ楽しいような気はする)。
これらはすべて自分が歳をとって、ものの感じ方が変化したからこその感想だろうと思う。
とか言いながら。
NHK BS4Kで放送している『ウルトラマン 4Kリマスター版』とかも喜んで見ているのでもうわけわかんない爺さんになってしまったというわけであります。





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