てっきり今度はゴールド免許だと思ってたのに、三年前に警視庁の卑劣な罠で駐禁をとられたことが判明し(忘れてただけなんだけど)、なんだよブルー免許かよブルーだよ。ブルーでブルーだよ、って話をこないだ書いた→日々棒組み636 あーもうほんとがっかりしちゃたよ
まぁでも、ブルーでも無いよりゃましだろうぜと運転免許証の更新に行ってきました。
有給休暇を取って、午前中は生活習慣病のいつもの病院に行って、午後は免許の更新。あーいそがし。いちにちにこのミッション。
最寄りの警察署に行くと、免許更新は専用の小屋みたいなとこでやるようになってた。
午後の受付時間より10分くらい早く着いてしまったが、すでに5、6人の人が待っていた。
中は節電のため薄暗い。
どーすんだっけ?なんか書くんだっけか?
5年も前のことなので、更新の手順なんかすっかり忘れている。
しょうがないので空いている椅子に座ったら、すぐ横に置いてあった機械が、
「ICカードをかざしてください」
いきなり話しかけてきた。
びっくりしてよく見ると、IC免許の情報を読み取る機械だった。
いや、それはいいから。今日は更新に来ただけだから。
と思ったが、しばらくするとまた、
「ICカードをかざしてください」
いやいや。それはいいからね。
しかし相手は心のないマシーン。10秒ほどするとまた、
「ICカードをかざしてください」
うるせーよ!このトースター野郎っ!!(by ギャラクティカ)それはいいっつってんだろ!(言ってないけど)
私がここに座ってからしゃべり始めたので、近くに座ってるとセンサーかなんかでしゃべり続けるんだろうと、空いた椅子に移動。
5秒、6秒、7秒、8秒、
「ICカードをかざしてください」
ちがうんかいっ!あんたはただそうやってしゃべり続けてるんかいっ!
と、トースター(by ギャラクティカ)との緊迫した駆け引きを続けていると受付が始まった。
係の人が手順を説明。なるほどなるほどそうだったっけね。
印紙を買って、交通安全協会に金を巻き上げられるのはどぎまぎしながらお断りし、書類にもろもろ記入し、視力検査の列へ。
私の前に並んでいた、三十代後半くらいの男が気の毒なくらい真面目な感じで緊張していて、その前のおばさんがまだやりとりしてるのに視力検査の機械を覗き込んだりしてる。カンニングか?
前のおばさんはなんか変更があるみたいで手間取っているのだが、真面目くんはなんか落ち着かなくて、また視力検査器を覗く練習をして、係の人に「もう少々お待ち下さい」とか言われてる。なんだよこいつ。
そんな真面目くんも私も無事視力検査をパスし、写真撮影へ。
写真撮影担当官はなんかテキパキしたおばさんで、ちゃくちゃく撮影が進んでいく。六十過ぎくらいのおじさんが、背もたれに背をつけろだのアゴを引けだの言われてる。言うこと聞かないと怖そうだ。
かと思ったら若めの女の人の髪の流れ方を気にしてあげたりしてる。その人が上着を脱ごうとしたらバックが水色だから脱がない方がいいとかアドバイスしてる。おせっかいおばさんか?お見合いの世話とかすんのか?
などということはなく私の番。
ちゃっちゃと済まそうと、前の人が言われてた通り背もたれに背をつけ、アゴを引いて静止、冷静な表情で固定、髪は乱れようもないくらいの短髪。どうだおせっかいババァ。俺にもおせっかいしてみろ。できるもんならな。さぁどうする?さあ、さあ、さあ!
そんな私を見たババァがやや怪訝な顔で言った。
「あ。写っちゃいますよ」
はぁ?なに言ってんの?
写すんだろ!俺のっ!写真をっ!今!こ!こ!でっ!!
写っちゃダメなのか!俺には写る資格もないのかっ!ブルー免許はそんなにダメなのか!
「写っちゃいますよ、ハガキ」
今度は私の胸元を指差しながら言った。
あ。
そうか。
更新のお知らせハガキを胸のポッケに入れてたんだっけ。あの日みた夢のように。
それが写っちゃうよって教えてくれてたのね。ごめんねおばちゃん。さっきはひどいこと言って(言ってないけど)。
なんだかそれがおかしくて笑っちゃったのね。
テキパキしたおばさんに対応しようとしてたのにそんな穴があったのが自分的におかしくて笑っちゃったのね。
必死で冷静な表情に戻したつもりだったが。
だったが。
一時間の講習を終えて配られた免許証の写真は見事に半笑いであった。
次の更新まであと5年。半笑いのまま生きてゆくのだ。