今日僕は気づいたんだ。
未来には限りがあることに。そして。
過去にも限りがあったってことにね。
はい。意味深な導入で始まりましたが、今回の限りある過去はこれ。
月刊スターログ日本版NO.63:1984年1月号 定価680円
表紙は、なんでしょうこの猫侍。
これは、本文中で紹介されていますが、マーク・ロジャースの「サムライ・キャット」“SAMURAI CAT”です。
本文によると、月刊スターログの特派員が世界SF大会の展示即売会でこのキャラクターのポートフォリオを見つけて、その場で掲載許可をもらったそうです。
仕事が早いデキる特派員かと思いきや、作者の経歴などは全く聞くのを忘れたそうで、この時点ではちょっと正体不明になってます。
「マーク・ロジャース」で今検索すると「野球」とか「モデル」とかがヒットしますが、「マーク・ロジャース サムライキャット」で検索したらいろいろ出てきました。
サムライ・キャットは『The Adventure of Samurai Cat』という小説のシリーズのキャラクターで、小説も挿絵もマーク・ロジャースだそうです。どんな小説か気になりますが、邦訳はなさそうですね。残念。
そのころ「ポーラテレビ小説」は15周年だった
スペース小さいですが、創刊雑誌が何誌か紹介されていて、その中に「テレビジョンドラマ」という雑誌があり、創刊号の特集は「放送開始満15周年・ポーラテレビ小説」で、その時点での全31作が紹介されていたそうです。
「将来日本のテレビドラマの貴重な資料になりそう」と書かれていました。
ちなみに発行は放送映画出版、定価は550円となっています。
調べたところポーラテレビ小説は、1986年の9月まで放送していたようなので、この後2年半くらいは続いたんですね。だからどうってわけでもないですが。
そのころたくさんのSF映画が発射準備完了または準備中、あるいは企画中だった
1月号ということで、1984年に公開予定の映画が、様々な段階ですが、それぞれ紹介されてます。
写真付きで詳しく紹介されているのが、
トワイライトゾーン
銀河伝説クルール
ハーキュリーズ
スペースハンター
ライトスタッフ
ハンガー
“スティーブン・キングの原作が続々映画化” としてまとめて紹介されていたのが「クージョ」と「デッド・ゾーン」
日本映画はアニメばかりで、
少年ケニヤ
レンズマン
超人ロック
綿の国星
風の谷のナウシカ
など。
私が愛する『さよならジュピター』も公開を控えた時期でしたが、他のページに橋本幸治監督と川北紘一特技監督のインタビューがそれぞれ1ページずつ載っていました。
その他、文字だけ情報として、
2010年宇宙の旅Ⅱ
Greystoke(ターザンの映画ですね)
The Keep
Gremlins
Star Trek Ⅲ: The Search for Spock
The Last Starfighter
Street of Fire
Supergirl
などがスタッフロケ地など情報とともに紹介されていました。
そうそう『2010年宇宙の旅Ⅱ』だったんだよなぁ、ある時期まで。ややこしい感じの邦題でしたね。公開時は『2010年』になりました。
そのころ “もうすぐディストピア” だった
ジョージ・オーウェルの小説『1984年』にちなんでディストピア特集が載ってます。
映画版『1984年』(55年イギリス)をはじめ、『時計じかけのオレンジ』、『THX1138』、『赤ちゃんよ永遠に』、『続・猿の惑星』、『華氏451』、『2300年未来への旅』などがディストピア映画として紹介されてますね。
情報統制・操作、精神改造、産児制限、核戦争による破壊と放射能汚染による文明崩壊、などがテーマの映画たちですね。
映画以外にも、ホームコンピューターの普及による、悪意のある操作の可能性や、世界を支配する通信ネットが権力に抑えられた時の危険性、加速度的に進行する環境破壊などが取り上げられています。
こういうの読んでると、現代ってなんかもうディストピアになってるような気もしますが。
というわけで。
明日なんかちっとも明るくないということを思い知ったところで「オトーは月刊スターログと」第40回はおしまいです。
そして次回はとうとう最終回!最後の1冊の紹介となります。
ディストピア!俺たちに未来なんかない!