タイ発モンスターパニック映画『ザ・レイク』“THE LAKE”を観たら

CS無料放送を録画していたもので鑑賞。
「無料」「モンスター」そして「タイ」。三拍子揃って私に「観ろ」と訴えていました。
タイのモンスター映画ってどんなだろ?
ムエタイの選手がモンスターと闘ったりするんだろうか?などとくだらない期待も無きにしも非ずです。
でもだったら日本の怪獣映画はお相撲さんと闘うのか?と自分をなだめながら鑑賞開始。

ザ・レイク

大雨の夜。おばさんがおじさんに「郵便屋さんが湖で巨大魚を見たらしい」という話をしています。巨大魚が犬を湖に引き摺り込むのを見た人もいる、と言って怖がっています。
それを聞いたおじさんも「怖い怖い」と震えながら言いますが、タイ語だからでしょうか、何だかふざけてように見えてしまいます。と思ったらおばさんが「ふざけないでよ!」だって。
ふざけてたんですね。
というような場面から始まりますが、その後割りとすぐにモンスターが登場します。
雷も鳴ってる大雨の中釣りに出かけたさっきのおじさんが目撃するのですが、稲光に浮かび上がったのは見上げるような大きさで、20メートルくらいはありそうな怪獣でした。
ありがちといえばありがちなシーンですが、オーソドックスな “怪獣映画” を期待させる幕開けです。

夜が明けると農村の家族の早く起きなさいだの兄さんを起こして来なさい、だの、のどかなシーンが始まります。
何すかねこの国を問わずいくつものドラマや映画で繰り返される「朝起きるシチュエーション」って。
演出のセオリーみたいのでもあるんでしょうか?

お兄を起こした少女(10歳くらい?)、今度はなぜか姿が見えない父親を探しに行きますが、原っぱで大きな卵を拾います。
嬉しそうに卵を持ち帰りますが、兄と姉に捨ててこいと言われてしまいます。父のことはみんな忘れてるみたいです。
少女は自転車の荷台に卵を乗せて湖へ。
湖のほとりに卵を立てて手をかざし、何かを感じているような表情をしているとモンスターが現れ、なんかバシャバシャバシャってなって何が起こったのかわからない感じになってしまいます。

異変を感じた兄と姉が少女を探し回りますが、見つけたのは湖に浮いているサンダルだけでした。
少女の身に何があったのでしょう?
ちなみに少女の名前は「メイちゃん」です。
きっと生きてますね、つかそのサンダル、メイちゃんのじゃないよきっと。

なんつってるうちに怪物が現れ、人々を襲い始めます。
この辺りグエムルみたいです。
この時の怪物は人間よりちょっと大きいくらいで、最初に現れた怪獣とは違うということがわかります。
ここで日本の観客は気づきます。
「はは〜ん、こりゃガッパだな」

この後もいろんなことが起きますが、実はなかなか把握できませんでした。私の認識力が低いのかもしれませんが、登場人物たちがなぜそんな行動や発言をするのかよくわかりません。
子供を助けようとする怪物の方がよっぽどわかりやすいです。
タイの人にはわかるのでしょうか、ちょっと気になります。

まぁでもそういうことはいいから怪獣もっと暴れろよ、なんか壊しまくれよと思って観ていましたが、怪獣は子供を取り返すと静かに姿を消しました(怪獣が去って行く場面はありません)。

なんか盛り上がんないなぁと思いましたが、まだ続きがあって、この嵐の日から5年後、村へ帰ってきた元刑事が事件の真相を知ったらしいです。
「らしい」というのは元刑事は「そうだったのか」みたいな顔をしていますが、私には「どうだったのか」さっぱりわからなかったからです。
生き延びたメイちゃんも成長した姿で出てきます。
湖の怪物と特別な関係にあり、体に変調をきたしているようですがそれが何を意味しているのか全くわかりません。『ガメラ3』みたいなことになっているのかな、とちょっと思いましたが。

そうそう、そいでこの事件、警察組織が隠蔽しちゃったそうです。対応を失敗したことを世間に知られたくないのと、「怪物ハンター」が大勢やって来てしまう、というような理由で。
他県の協力も得て結構大掛かりな非難誘導とかしてたのに隠蔽できちゃったみたいです。

で、ひょっとしたらこの映画って実際にあった事件を下敷きにしているのかも、とも思いました。
モンスターが出る事件じゃなくて、組織ぐるみの児童虐待とか虐殺とかそういうの隠蔽した事件とか。タイの人にならピンとくるような事件。
考えすぎかなぁ。

どこかで見たようなシーンや設定だらけなのに観終わった印象は今まで感じたことがないような不思議な映画でした(褒めてるわけじゃない。謎残りすぎだし)。

*タイ映画といえば以前『ブンミおじさんの森』を観ていましたね。こちらはいい意味で不思議な感触の映画でした。(感想こちら →最近観た映画2021年2月(3本とちょっと)

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