620 黒ずんだ清原

雑記

野球にもスポーツ全般にもあまり興味が無い私だが、清原和博と聞くと思い出すことがある。
あれは(調べたところによると)1987年の日本シリーズ。私は珍しくテレビで観戦していた。

本当は巨人に入りたかった清原がドラフトのあれやこれやで西武ライオンズに入団したのが1985年というからその翌々年。
巨人相手にあと一つのアウトで西武の日本シリーズ優勝が決まるという場面。
一塁を守っていた清原が泣き出した。
目がうるうるとかいうレベルじゃなくて完全に泣いてる。
実況か解説がなにか語ったかもしれないが、スポーツにうとい私でもなんとなく知っている清原と巨人のいきさつ。
「スポーツ涙」みたいのは「けっ」と思ってしまう私だが、これはちょっと泣いてしまった。
きっとこれは「スポーツ涙」じゃなくて「人生涙」だったんだと思う。
「スポーツ涙」と「人生涙」は区別が難しいというか境目が無かったりするが、わかりやすい基準は自分が泣くか泣かないかだと考えている。
私の最大の「スポーツ人生涙」(もはや渾然一体)は、ソウルオリンピックの斉藤仁だが、その話はまた今度。

そんなスポーツ天邪鬼な私をも泣かせた清原の涙であったが、その後私は清原ファンにも西武ライオンズファンにも野球ファンにもならず、スポーツ観になんの変化も無いまま現在に至っている。
なので、清原が結局は巨人に入ろうが、タレント活動しようが、格闘技興行のセコンドに付こうが、それは私を泣かせた清原とは別もので、私には全く関係無い存在だった。それらの清原とは別に私の記憶には1987年の清原がそのまま存在し続けている。

だからこのたび、注射器やストローや黒ずんだパイプといっしょに黒ずんだ清原が逮捕されてもそれはそれでしかない。そういうことが起こったんだなぁ、と、それだけでしかない。
だけどなんだろう。
そこにはちょっぴり「人生」の匂いがする。
私は別に清原ファンでもないしなかったしだが、1987年からつながる「人生」がそこにはあると今は思ってる。
清原はもう一度泣くといいと思う。

 

blinkjitu

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