あのころSF少年少女だったあなたやあなたやあなたの心のふるさと雑誌「月刊スターログ日本版」。私の手元にある中から行き当たりばったりに選んだ一冊をしめやかに語るコーナー第12弾。今週は『スターウォーズ日本語吹き替え版』公開直前のこの号。
月刊スターログ日本版NO.43:1982年5月号 定価680円
巻頭のピンナップは表のカラーがムービーポスターギャラリーとして、『ダーククリスタル』『コナン・ザ・グレート』『ハロウィンⅢ』『遊星からの物体X』『E.T』の本国版ポスターが並んでます。1982年の注目作、みたいな扱いでしょうか。
裏のモノクロは『大アマゾンの半魚人』の半魚人がポーズをとって凄んでます。昔の映画だけど目元とか怖いなぁ。
そのころ『HEAVY METAL』はアダルトアニメだった
表紙のロゴの上に「GW公開 アダルトアニメ[HEAVY METAL]の幻想世界」とあります。
怪しい響き「アダルトアニメ」。
アダルトコミック誌『HEAVY METAL』の強烈なイメージとパワーを継承して作られた(よくわかんないけど)アニメ映画『HEAVY METAL』。漫画原作のものやオリジナルのもの合わせて8本で構成されたオムニバスだそうです。
制作体制がなんだかスケール大きくて、5大都市(モントリオール、NY、ロス、ロンドン、オタワ、)で進行、17カ国から1,000人を超えるアーチスト、アニメーター、SFXマン等が参加したそうです。“ ロック版ファンタジア ”という記述もあり、BGMには、チープ・トリック、ディーボ、ブラック・サバス、イーグルスの人、などが参加してます。
DVDがamazonで買えますが、別にアダルト商品扱いではないみたいですね。
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そのころ楠田絵里子は老後のことを考えていた
「おしゃれ」や「なるほどザ・ワールド」でおなじみの「楠田絵里子さん」が「マイコン少年のアイドル」として紹介されています。
当時の愛機は「HULL」というニックネームのアップルⅡ。当時はアップルⅡと聞いてもなんのことやらわからなかった私ですが、のちに軽いアップル信者になった私にはアップルⅡは伝説のメカですな。当時の「マイコン少年」たちには特別の響きだったかもしれません、アップルツー。
インベーダーゲームで2万点出すという話も語られてますが、2万点ってどの程度のレベルなのかよくわかりません。すごいのかな?
女優として映画『陽炎座』に出演している楠田絵里子だが、映画に出演した理由は、
「あれは老後の楽しみのため…つまり、後何十年かたったら、私、養老院に入るでしょう。そこでおばあちゃん達が集まって、若い時はどうだったとかこうだったとかって話になるでしょう…きっとなりますね、若い時の自慢話みたいな…それで、あなたはどうだった?…って聞かれるでしょう。…その時、私、言うんです。「女優をしてました」それで、その時の写真なんか見せるの…これで勝ちね。…その瞬間を考えた時、あの仕事を引き受ける決心をしたんです。
だそうです。
「これで勝ちね」って…。
映画出演からすでに何十年も経って、養老院に入る時期も迫っていると思いますが、勝つ準備は整っているのでしょうか楠田絵里子。
同年代のおばあちゃん達はみんな楠田絵里子を知っていると思いますが。
そのころ春の新番組はこんなだった
その年の春の新番組として紹介されていたのが、
- 大戦隊ゴーグルⅤ
- 宇宙刑事ギャバン
- ピンキーパンチ大逆転
- 戦闘メカ・ザブングル
- 機甲艦隊ダイラガーⅩⅤ
- 魔法のプリンセス・ミンキーモモ
- ドン・ドラキュラ
- パタリロ!
- 科学救助隊テクノボイジャー
などでした。
「ピンキーパンチ大逆転」というのは、宇宙の彼方にあるロリータ星からやってきたピンキーシスターズが地球の悪と戦うという番組で、ピンキーシスターズを演ずるのは松本伊代と柏原よしえ。なんだかうっすらと記憶にあるような。
「科学救助隊テクノボイジャー」は、アニメ版サンダーバードということで、メカデザインはスタジオぬえと青井邦夫だそうです。番組の存在は知っていましたが、見た記憶はありません。
そのころスターウォーズファンは気が気じゃなかった
表紙の「帝国通信 5・15事件」の文字。表4には「SWファン錯乱」という記述まで。
スターウォーズファンに何があったのでしょう?
実はスターウォーズが5月15日にリバイバル公開されることになっていて、それがどうやら日本語吹き替え版になりそうだということで、日本語キャストは誰なんだ?イメージと違ったら許さんぞ!いやそもそも日本語でしゃべるルークやハン・ソロなんてルークでもハン・ソロでもない別の何かだ!吹き替え版公開絶対反対!という騒ぎになっていたのです。
しかしどうやら吹き替え版公開は決定事項のようで、このころには妥協して、「日本語吹き替え版は認めよう。しかし、キャストについては我々に決めさせろ」という風潮になっていたのです。
ということで読者提案の日本語キャストがこれ。
なんだかんだ言ってネタにしてるのがよくわかります。チューバッカまで吹き替えキャストがいます。
ルーク松平健って…。
C-3PO 田中邦衛は見た目でしょうか。ちょっとやって欲しい気もします。
中には役は違えどシリーズの吹き替え版に出演した方もいて、よく見ると面白いです。
最近の洋画は字幕版と吹き替え版が同時公開になったりしますが、有名芸能人が吹き替えていると、顔が思い浮かんじゃってすごく違和感ありますね。気が散ってしょうがない。いい吹き替えもあるのでしょうが、せっかく劇場に足を運んで映画に集中できないのはストレスなので、選べる場合は字幕版を観るようにしてます。
そんなこんなの愚痴もまじえつつ、「オトーは月刊スターログと」#12はここまでです。これまで順調に毎週更新を続けてきた「オトーは月刊スターログと」ですが、来週はお友達と旅行に行くので一回お休みします。一週お休みして、6月第2週の日曜日に、特にパワーアップすることもなくダラダラと帰ってくる予定ですのでふわっとした気持ちでまた読んでもらえるとうれしいです。
それまで「オトーは月刊スターログと」を忘れないでね!シーユーアゲーン!!
(あー楽しみだなぁ軽井沢。昼間っからガバガバ飲んだるでー)