オトーは月刊スターログと #15: 1981年12月号

今はさえないおっさんだけど、あの頃の思い出は今でも宝石のようにキラキラ光ってるんだ。俺の心の真ん中でな。そんなあの頃雑誌「月刊スターログ日本版」を懐かしむコーナーもついに第15弾となりました。

月刊スターログ日本版NO.38:1981年12月号 定価680円

表紙

目次

巻頭ピンナップは両面モノクロで、表はインディ・ジョーンズがムチを片手に立て膝の決めポーズ。さすがに若いぞハリソン・フォード。
裏は “Memorial SF Character Series;4” の METALUNAN MUTANT 。1955年のアメリカ映画『宇宙水爆戦』に出てくるメタルーナ・ミュータントですね。
こいつ↓

メタルーナ・ミュータント

映画は知らなくてもこの姿だけは見たことある人も多いのではないでしょうか。
『宇宙水爆戦』の原題は “This Island Earth” で、「宇宙」も「水爆」も「戦」も出てきません。「この島地球」?どういう意味だろ?

以前録画したものがあったので、ミュータント登場シーンを見返してみました。
滅亡寸前の惑星メタルーナに拉致された男女ふたりの科学者が逃げようとして、ふたりに同情し始めたメタルーナ人エクセターと言い合いになってるところにあっちからミュータントが歩いてくる。
驚くふたりにエクセターが言う。

「事前に話すべきだった。ミュータントだ。雑務用に作られた」

雑務用↓

雑務用ミュータント

メタルーナじゃこいつがコピーとったり書類をシュレッダーにかけたりしてんのか。
さらに説明は続く。

「地球の昆虫に近い種だ」

どの昆虫だ。でかい脳が露出してるように見えるけど地球のどの昆虫に近いんだ。

爆破に巻き込まれて瓦礫の下敷きになってもしつこく追いかけてくる雑務ミュータント。ふたりを逃がそうとしたエクセターの腹にハサミ状の自分の手をぶち込む。腹から血をだらだら流して苦しむエクセター。なんて凶暴な雑務用昆虫。それともメタルーナで「雑務」といったら諜報機関の非合法的活動みたいな意味なのか?

ミュータントをやり過ごして脱出用円盤に乗り込んだ三人だったが、ハッチが閉まり切る寸前にミュータントも乗り込んでしまう。何が彼をそこまで駆り立てるのか全くわからないが、どこまでもあきらめないその姿は感動的ですらある(嘘)。
でも円盤の中に入った時にはもう大怪我で死にかけていて、何もないのに転んじゃったりする。
そんな状態でありながらも
女の科学者だけ執拗に追っかけて後ろから抱きついて持ち上げたりするミュータント。何がそこまでお前を駆り立てる?
そうか。
交尾がしたいんだな。もうすぐ死ぬとわかってその前にどうしても交尾したいんだな。死ぬ前に交尾したくてしたくてしょうがなくなるじゃん。昆虫ってそんなじゃん。セミとか。

というわけでメタルーナ・ミュータントは地球のセミに近い種だということがわかりました。ただ、メタルーナ・ミュータントは死ぬと煙になって消えちゃいます。そこはセミと違うところですね。セミは死んでも抜け殻が残りますからね(ちげーよ)。

そのころパイオニアレーザーディスクは 228,000円だった

「ついに登場したビデオディスク!その実体は」という見出しで、パイオニアのレーザーディスクの発売が報じられています。
ビデオカセットが普及はしてきたけどソフトは高価でおいそれと手が出ない(『ゴジラ』が5万円で『大魔神』『大怪獣ガメラ』が4万5千円ですって!)、それに比べるとレーザーディズクのソフトは安め(5,800円〜11,000円)で、なんとか買えなくもない。ソフトの品揃えも充実してきて前途に期待が持てる、というような内容です。
パイオニアのプレイヤーLD-1000が写真付きで紹介されていてお値段は228,000円。「レーザーなのでディスクの取り扱いは気を使わずにOK」なんて書いてあるけどほんとかなぁ。

パイオニアLD-1000

少し後のページに海外からビデオソフトを海外から買う方法が詳しく紹介されてたりして、映画を所有する欲求がものすごく高まっていたのがわかります。
当時に比べると今はお金も手間も(情熱も)ちょっぴりだけで大量の映画が楽しめる時代になって恵まれているったらありゃしない。この幸せがいつまでも続くといいですね!

そんなわけで「オトーは月刊スターログと」#15「メタルーナ・ミュータントはどうしても交尾がしたかったの巻」、これでおしまい。#16までごきげんよう!さようなら!

オトーは月刊スターログと[総目次]

 

blinkani

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