何十年だか続いたスーパー戦隊シリーズが終了するとかしないとか。
するんだけど。
「スーパー戦隊シリーズ」の定義はややブレたりしてたようですが、今では『秘密戦隊ゴレンジャー』がシリーズ第1作ということで落ち着いているようです。
私がスーパー戦隊シリーズを一番楽しんでいたのは息子や娘と一緒に見ていた頃で、息子と娘はひと回り歳の差があるため、けっこう長い期間楽しませてもらいました。
が。
今日はシリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』の思い出です。
と言ってもゴレンジャー放送当時私はもう中学生。変身ヒーロー番組は、「そんなのがやってる」のを知ってるくらいでもうあまり見なくなっていました。『秘密戦隊ゴレンジャー』は2、3回は見たでしょうか(見たのかよ)、でも全体にコミカルなのが好みじゃなくて見なくなりました。事件があって調査に行った家でカレーライスとか食ってるのとか嫌でした。こっちは真面目にヒーロー番組と向き合おうとしているのにあっちは中学生のことなんか相手にしてなそうなのも不愉快でした。
そんな中学生活を送っていたある日の休み時間のこと。
クラスメイトの鈴木くんが息を切らして私のところにやって来ました。
色白ぽっちゃりの鈴木くん、目をキラキラさせ、頬を紅潮させています。
友人関係のポジション的には映画『スタンド・バイ・ミー』のバーンといえばイメージしやすいでしょうか。
「あのさ、あのさ、」
バーン鈴木くんはぷっくりピンクの唇を震わせて話し始めました。
「あのさ、ゴレンジャーの歌って、赤、青、黄色、ピンク、緑の色が入ってるんだよ!」
鈴木くんのやや茶色がかったサラサラ坊ちゃん刈りが揺れています。
「あ、そうなんだ」
何回か見たとはいえ、こっちは主題歌の歌詞までは覚えていません。
「♪真っ赤なたいよお、ほら赤」
私の戸惑いに構わず、大発見をした鈴木くんは解説を続けます。
「♪願いはひとぉつ あーおーい空〜、ね、青でしょ?」
さっきまでパーだった鈴木くんの右手の親指と人差し指がたたまれています。
鈴木くんは歌い続け、右手の指を全てたたみ終わると、
「ほらね!」
と言い残して去って行きました。この大発見を他の誰かに伝えるために。
遠ざかる鈴木くんの丸っこい背中を見送りながら私は思いました。
「だからなに?」
各人各様温度差のある思い出を残してスーパー戦隊シリーズが幕を閉じます。
さようならスーパー戦隊。
ありがとうスーパー戦隊。
今二歳の孫に高価な合体ロボを買ってとねだられないと思うとホッとするような寂しいような複雑な気分だったりします。
孫と一緒に遊んだら楽しいだろうなぁ、合体ロボ。





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