あれから一ヶ月。
僕はとうとうあそこへ行ったんだ。
あそこ。
パンの上をゴキブリが歩いてたあのコンビニ。
店は何事もなかったみたいに営業を続けていた。
パンの上を（袋の上だけど）ゴキブリが歩いていたコンビニが何事もなかったみたいに営業している。
つまり
何事もなかったんだ。
パンの上を（袋の上だけど）ゴキブリが歩くのは何事でもないんだ。
僕はあの時ゴキブリが歩いていたパンの棚をチラッと見て安全を確認し、
おにぎりを2個買った。
レジ処理したのはあの時と同じ店員だったが、ゴキブリ駆除に関する報告、もしくは安全宣言のようなものは無かった。
つまり
安全ではないのだ。
近い将来。人類とゴキブ類との最終戦争が始まる。戦端はあそこで開かれるのだ。あのコンビニで。
パンとかあっという間に喰われちゃうんだ。あいつらに。おにぎりもじゃがりこも週刊朝日も香典袋も筆ペンも。
みんな喰われちゃうんだ。やつらに。
そしてその時初めて人類は気づくのだ。
やられるまえにやるべきだったと。
新聞を固く丸めて、パンッ！！とやっとくべきだったと。でも。
気づいた時にはすべては手遅れだったのだ。
あ、
集団的自衛権とかそういうのとは関係無い話だからね。
