夢も希望もきのうに捨ててきた。だから拾いに行くのさ、後ろ向きの列車に乗ってな。
はい。もうなに言ってるのか自分でもわかってないのであんまり気にしないでください。
後ろ向きに走る「オトーは月刊スターログと」第27回はこの号。
月刊スターログ日本版NO.65:1984年3月号 定価680円
表紙のイラストからも予想できますが、「過去振り返り度」が高い号です。
巻頭にピンナップはなくて、巻中に1930年発行の「AIR WONDER STORIES」の表紙がピンナップになってます。
悪い宇宙人の丸ノコみたいな巨大円盤が地球の飛行機をぶった斬ってる豪快なイラストです。下の方に“The Flying Buzz-Saw”と書いてあります。「うなりながら飛んでくるノコギリ」みたいな意味でしょうか。怖い怖い。右上には「HUGO GERNSBACK Editor」と印刷されてます。あのヒューゴー・ガーンズバックが作ったSF雑誌のひとつですね。SFの賞で有名なヒューゴー賞の名前の元になった人ですね。日本でいえば芥川龍之介でしょうか。違いましょうか。
しかし、2017年から1984年を振り返ったと思ったらさらに過去へ吹っ飛ばされたような状態。私はさまよい人になりそうです。
そのころB級映画が振り返られていた
特集は「VIVA! B Movies」。
特集の扉は、下着みたいな格好の美女(?)がなんかえーと猿みたいな顔をしたクモみたいなモンスターに襲われて悲鳴をあげてるなんかの映画のシーン。なんだこいつ。
特集はB級映画の帝王ロジャー・コーマンの紹介から始まります。経歴、作品、人脈。
プロヂューサーとして有名なコーマンですが、監督もやってます。初監督作品は『あらくれ五人拳銃』。観たことないけど、あらくれが五人もいて拳銃も持ってる。これは大暴れ。
その次に監督したのが『原子怪獣と裸女』。無防備。原子の前で裸。無防備。観たことないけど見てみたい裸女。ホントに出るのか裸女。
コーマン門下の監督、俳優として、コッポラ、スコセッシ、ジャック・ニコルスン、ロバート・デ・ニーロ、ピーター・フォンダらの名前が挙げられています。豪華。豪華門下。
B級映画というと、ラリー・ブキャナンっていう、そもそもあまり面白くないB級映画をリメイクしてもっと面白くない映画にしちゃう監督を思い出します。昔、クソ映画が流行った(?)時があって、深夜にブキャナン監督の『恐怖の洞窟』という映画を(ほんとはテレビ番組らしいけど映画扱いで)テレビ放送したりしてましたが、本当にクソでびっくりしました。ちなみに『恐怖の洞窟』には古代生物の生き残りとかいう設定で、マサソラスというモンスターが出てきます。
すいません余計な話でした。
記事はコーマンがらみの比較的最近の作品の紹介が続きます。
『宇宙の7人』は、『スターウォーズ』プラス『七人の侍』
『Galaxy of Terror』は、異性のピラミッド状の廃墟で地球人がひとりまたひとりと殺されていく『エイリアン』風作品
『Forbidden World』は『マッドマックス』的な荒廃した惑星で変身を重ねる人間が人間を次々に殺していく『遊星からの物体X』風な作品
ということで、B級映画に大切なのは、 “どういう映画か他の映画にたとえて簡単に説明できること”と、“とにかく人が死ぬ”ことだとわかります。勉強になります。
そのころ『ブレードランナー』にはオフィシャルファンクラブがあった(が解散していた)
「ブレードランナー・ファンのみなさま、悲しいニュースです」という一文から始まる読者からのお便り。
オフィシャルブレードランナーファンクラブに加入して、ファンクラブキットが届いてから半年経ったが、その後連絡もなく、心配になって問い合わせたら「会員のみなさまには申し訳ないが、これ以上ファンクラブを続けることは不可能だ」との手紙が送られてきたそうです。その理由は「入会者が異常に少なかったから」だそうです。
うーむ。「異常に少ない」。
まーーーーーーーーーー、わかるような気もします。
SF映画の傑作といっても、「みんなでファン活動」がふさわしい映画とそうでない映画はあるでしょうなぁ。それと、シリーズものならともかく1本だけじゃなぁ、とも思います。
今なら公式サイトとかネットで情報を集めたり同じファンと交流できますが、当時はそういうものがありませんでしたからねぇ。入会して楽しみにしていた人はさぞ残念だったでしょう。会費とか払い戻したりしたんでしょうか?気になります。
というわけで、元ブレードランナーオフィシャルファンクラブの “異常に少ない” 会員の皆様に会費が無事払い戻されたことを信じつつ、「オトーは月刊スターログと」 #27はこれでおしまい。ごきげんようさようなら!新作スターウォーズ面白いよ!メガフォースビーウィズユー!