我が家の家宝も大公開!オトーは月刊スターログと #35:1983年11月号

昔を懐かしむのもいいけれど。昔にはそのまた昔があったんだ。
上には上がある。昔にはもっと昔がある。懐かしいにもほどがある。みたいな。なんだそりゃ。
はい。というわけで。懐かしみすぎるのもいい加減にしろよと言われながらの「オトーは月刊スターログと」第35回はこの号だ!

月刊スターログ日本版NO.61:1983年11月号 定価680円

表紙

目次

表紙。なんでしょうこれ。アメリカのSF雑誌「AIR WONDER STORIES」の表紙が表紙になってます。表紙のマトリョーシカ状態。この「AIR WONDER STORIES」、1928年のDECEMBERと印刷されています。何年前だよ。今からだと90年前ですね。懐かしいじゃなくてもう歴史の領域です。ものすごく簡略化したギガントみたいな飛行機に竜巻が直撃してます。多分悪い宇宙人のしわざでしょう。
目次上部の写真は『海底軍艦』の轟天号。その下のイラストはキャプテン・フューチャーですね。
巻頭ピンナップの表カラーは『さよならジュピター』撮影完了・現在待機中のお知らせ。
裏は「スターウォーズ商品見本市」として、様々なスターウォーズグッズが紹介されてます。書籍関係、Tシャツ、缶バッジ、ノート、反乱軍の帽子などが値段付きで紹介されています。ちなみに反乱軍帽子は$8.95。今のレートなら1,000円くらいでしょうか。Tシャツは$10で、帽子よりちょっぴり高い。

そのころSFは絵だった

目次にキャプテン・フューチャーの挿絵があるのは、最初の特集が「宇宙大元帥 野田昌宏のSF世界」だから。
「貴族・大富豪・最高知識階級・所属太陽系安全保障最高会議長 太陽系惑星総軍最高総司令官 宇宙大元帥 野田昌宏」という、名刺に刷られているという噂の長い肩書きも紹介されています。
「最高」という言葉が3回出てきます。どこかの宗教か、でなきゃ元祖厨二病でしょうか。
加藤直之筆の野田大元帥の内部図解のイラストがあります。体内に建造中のデススターが収納されているのがわかります。
特集は、ハミルトン、ムーア、チャンドラーの話を中心に翻訳に関する話題、SFとの出会い、各種雑誌コレクション(「AMAZING STORIES」「ASTOUNDING STORIES」)の表紙写真、そして『銀河乞食軍団』の話題へ。
『銀河乞食軍団』。
SFマガジンのぶ厚い増刊号に最初に載ったの読みました。
なんだろう、こう、手触り感のあるSFでしたね。
そのあとNASAの話になって最後は「野田昌宏究明大アンケート」として、たくさんのSF関係者に5つの質問をしています。

1.野田昌宏の正体は次のどれだと思いますか?
 (1)SF作家 (2)翻訳家 (3)コレクター (4)プロデュサー (5)SFファン (6)テノール唱者 (7)評論家 (8)その他
2.野田昌宏との出会いは?
3.西暦2001年、野田昌宏は何をしていると思いますか?
4.野田昌宏のコレクションの中で、欲しいと思うものがあれば、あげてください。
5.野田昌宏へ一言。

4が気になりますよね。
みなさんこんなものを欲しがってました。

池田憲章「ガチャピンとムックのぬいぐるみ」
加藤直之「バローズに関する資料のすべて」
手塚治虫「爪のアカ」
中島梓「ぜんぶおくれ」

そのころヨーロッパのコミックスは熱く燃えていた

「今、ヨーロッパのコミックスは熱く燃えている」というタイトルで、フランス、スペイン、イタリアを中心としたヨーロッパのコミックスの動向が伝えられています。
メビウスの作品をたくさん紹介した後で、「ちなみに、こういったメビウスの作品群は、日本には入荷する予定はないと思うので、悪しからず」とか書いてある。
メビウス作品が日本語版で読める現代は幸せなのです。

そのころあんまりSF映画はやってなかった?

野田大元帥特集、ヨーロッパコミックス特集にページを割いていますが、映画の話題は、『DUNE』と『KRULL』の話題がちょっぴりと、『SF映画をテレビ放送で見るメリットは吹き替えである、とか、そんな程度。SF映画公開の谷間だったんでしょうか?

そのころ高野文子といえば「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」だった

亀和田武のコラムで高野文子の『おともだち』が取り上げられています。
収録作「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」について、雑誌掲載時に比べて単行本の方が判型が縮小された分だけ、白黒のバランスが良くなって、作品全体の印象も良くなった。みたいなことを書いてます。
当時は「ふーん、そんなこともあるんだ」とぼんやり読んでいたのを覚えてます。
覚えてますが。
今回これを取り上げたのはそんなことではなく。
そんなことはどうでもよく。
これを取り上げたのは、私が『おともだち』のサイン本、そして高野文子直筆カラー色紙(しかも「春ノ波止場デウマレタ鳥ハ」のあのふたり!)を家宝として所有してるからなんですね。それを自慢したかったんですね。
当時大学生だった私は、友人のお母さんのつてでサイン本と色紙をいただいたのでした。

ほら、名前もちゃんと書いてくれてるでしょ?
色紙はこちら。額に入れて飾ってあります。

というわけで。我が家の秘宝を公開したところで「オトーは月刊スターログと」第35回はここまで、次回までごきげんよう!さようなら!

オトーは月刊スターログと[総目次]

blinkpanda

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