高校にも夏休みの宿題っていうのがあって、もう9月になっちゃったけど曜日の並びの関係で今日もまだ宿題やってるアヤさん。
絵を描く宿題が残ってるって、今かよ。明日から二学期だろだいじょぶか。
訊くと、英語の宿題で、何種類かある英語の本から一冊選んで読み、物語の中のシーンを絵に描きましょう、同じ本を選んだ生徒で話し合って、それぞれ別のシーンを選んで描きましょう、というもの。
授業でその絵を見せながら英語で説明するという企画だそうです。
アヤさんは本を選び、お友達と打ち合わせて自分が絵にするシーン絵を選びました。
選んだ本は
『エレファントマン』
そして絵にするのは、ラストシーン。
こりゃまたすげーチョイスだね。エレファントマンのラストって死んじゃうとこじゃん。
お父さんはそのチョイスに大きな拍手を送りたいよ。やんややんやだよ。
だがしかし。
「どう描いたらいいかわかんなーい」
ですって。
そうか。
そうかよし。
お父さんが手伝ってあげようね。
娘の夏休みの宿題を父親が手伝う。世間ではよくある風景だ。エレファントマンの死体の絵、お父さんが手伝ってあげようね。
テキストにしているのは挿絵のある本で、ラストシーンも絵になっていた。ベッドで息絶えているジョゼフ・メリックを上から見ている構図。顔は横を向いている。
このまま描くわけにはいかないので、ベッドを横から見た構図に修正。
メリックの死に顔が正面からアップで見えるようにして、と。
手元にあった紙に描いていく。
普段は座って寝ていたメリックがベッドで眠ろうとして、重い頭がベッドから落ちて首の骨が折れたのが死因だということなので、首のあたりは不自然なガクッとした感じでガクッと、もっともっとガクッガクッと。
こういう絵。
大好き。
ラフに描いて渡したら
「そうそうこういう感じ！いいよいいよ」
だって。
よし。あとはお前の腕で、クラスのJKが引きまくるくらいに仕上げたまえ。
というわけでアヤさん、今せっせと描いてます。死んでるエレファントマンの絵。
