覚林坊から身延山久遠寺へ行ったら

出不精揃いの我が家ですが。
新車も買ったことだし。お盆だし。田舎の母の顔もしばらく見てないし。
ということで、めずらしくお出かけすることに。
実家から近いところで宿を探してここにしました↓

宿坊 行学院 覚林坊

お盆のこの時期に妙にリーズナブルな価格(一人一泊1万円)なのが気になりましたが、他をあたるのもめんどうなので多少のことはまぁいいやと、「宿坊」というのがどういうものか知らないまま気づいたら「ふわふわかき氷サービスプラン」というのに予約してました。ちなみに楽天トラベルで探しました。

8月13日。
西日本への台風接近が伝えられる中、自宅を出発して、午前中に実家の母を拾い、墓参りを済ませて身延方面へ。
お墓から身延へは、真横に移動できれば近いのですが、道が無いので一旦実家のほうへ下ってまた登る、というU字コースを辿ります。

新車ということもあり運転は楽しいのですが、舗装はされているもののどんどん山道に突入。ナビを頼りに走りましたが、ナビの画面も時々道から外れるようなグニャグニャした道を走り続けました。

このまま行っていいんだろうか?と思い始めたころようやく小さな温泉街やお寺の門が見えてきて、旅行の雰囲気が出てきましたが、ナビに従っているとまた細い山道に導かれ、さらに進むと、水木しげるの漫画に出てきそうな苔むした墓石や祠が現れて、観光旅行とは違うわくわくが高まってきました。

鬼太郎が立っていても違和感なさそうな苔むした墓石群。

そしてその先に本日の宿、覚林坊があったのでした。

チェックインして館内を案内してもらいましたが、ちょっとびっくりしました。
だって泊まる部屋の前の廊下がこんななんだもん。

着物がかかってます。あはは。

両側に着物がかかってます。あはは。
出入りは障子の戸です。あはは。
妻が言いました。
「夜中に障子に何かが映るね。こりゃ出るね」
なにが?と思いましたが、妻が楽しそうだからまあいいや。

食堂から庭の池が見えましたが、この池、「心」という字をかたどってるそうです。

心のきれいな人にだけ「心」という字が見えてくる不思議な池だそうです。嘘です。
案内してくれた人も「よくわかんないんですけど」と言ってました。

部屋でだらだらする婦人部を置き去りにして、私はカメラを持って付近を偵察。
車で入ってきたのと反対側に行くと山門がありました。
裏門かな?と思いましたが、車で入った方には門は無かったので、こちらが正門なんでしょう。
外から見ると「行学院」とありました。

外側から撮影。

門の先には長い石段があり、昔の人はこちらから石段を登ってやって来たのでしょう。
草に隠れがちな石段を見ていると、
「昔の人じゃなくて本当に良かった」
と心の底から思えてくるのでした。

なにもかも苔むした地帯でした。

部屋に戻ると妻がだらだらしながら言った。
「四時になったらすぐにお風呂入るのよぉ」
そうだねそうだね。

宿のサイトには風呂は「交代で貸切」というようなことが書いてありましたが、そんな案内は無かったので、四時になったらすぐ入浴。
お風呂はワイン風呂でした。
私は気持ちよく入浴できたのですが、女湯はお湯が出なかったとかで、湯船のワインを組みながら体を洗ったそうです。
そりゃ難儀だったねぇ。

風呂上がりに部屋で生ビールをいただき、夕食は六時から食堂で。
ここは湯葉を使った精進料理がいただけます。

湯葉とトマトとキノコと納豆。見てるだけで健康になれそうな夕食。
この他に揚げ物と、ご飯、お吸い物、デザートにアイスクリームが付きます。
どれも美味しかったですよ。
あ、ビールとワインもいただきました。

食事を終えて部屋に戻ると布団が敷いてありました。
布団の上でごろごろしてだらだら就寝。何時だったかすごく早い時間に寝ちゃったけど、旅行のこういうゆるい感じって好き。

翌朝。
「夜中にトイレに行った時に、廊下の着物の下に足が見えた。私は確かに見た」
と言い張る娘を引っ張って食堂へ。
品のいい器に盛られた朝食をいただき、そのあと「ふわふわかき氷」。

かき氷というとシャキシャキガキガキしたものを連想しますがこれは「ふわふわ」。どちらかというとアイスクリームの食感でした。でもおいしかったぁ。

台風接近の影響か、朝から雨が降ったりやんだり。時にはすごく強く降ったりしていましたが、観光に関してはノープランだったので、なんならこのまま帰ってもいいかなくらいの私たちでしたが、チェックアウトの時に宿の人にいろいろ教えてもらって、
「行くだけ行って大雨だったら帰ろうか」
と久遠寺に向かいました。
走っているうちに小降りになり、ちょうど観光用の駐車場に着いたのでそこに入れた。
駐車場の横のお土産屋を外からのぞいていたらそこのおばさんが出て来ていろいろ教えてくれました。
エレベーターとロープウェイで山の上まで登れてそこにもお土産屋はあるが、うちのお土産は安くしている、でもロープウェイの絵が付いているお土産はロープウェイを作った会社のもので、上でしか買えない。エレベーターは無料でボタンが二つしかないから間違えないから安心。エレベーターで上がったところにもお土産屋はあるがうちにもお土産は売っていてお安くしてますがロープウェイの絵の付いたものは上でしか買えない。まずはエレベーター、そこからロープウェイ、エレベーターはボタンがふたつだけ…

エレベーターで久遠寺まで登った。
ちなみにエレベーターにはボタンが四つあった。おばさんは「開」「閉」のボタンを勘定に入れてなかったようだ。どうでもいいが。

エレベーターを降りるとびっくりするくらいひらけた敷地に建物が並んでいた。

一時は青空も見えたが、お堂の中を見学しているうちにまた降り出し、滝のような雨に。
それはそれで風情があるが、建物から出るに出られない。
と思っているうちにまた小降りに。

それではとロープウェイで山頂へ。

山頂はひんやり涼しかったが霧で景色などは見えませんでした。
山頂にあるのは「思親閣」。
親を思うためのお寺ですね。
まるで年老いた母のために旅行を計画した私のためにあるような名前です。
天もそんな親孝行息子を祝福しているようで、また大雨が降って来ました。

雨粒見えますか?

山頂には、日蓮聖人、お釈迦様の像もありました。
どちらも霧の中で神秘的なたたずまい。

こうして、お寺や像や雨や霧を満喫して、私たちは帰路に着いたのでした。

あ、そうそう。帰りにあのおばさんのところでお土産買っていきました。
蛇足ですが、おばさん、お釣りを豪快に間違えてました。
指摘すると、なんでも消費税が3%から5%になった時からレジがおかしいとのこと。
それ何年前だ。
もうすぐまた消費税が上がるけどどうなっちゃうんだ?
ボタンはふたつまでしか認識できないおばさんの消費税増税後が心配でなりません。
加えて、親孝行旅行記がこんな締めでいいのかも心配でなりません。

linelink01
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