日々棒組み814 終わらない仕事は無い

カレンダー関係の仕事をしているので、毎年10月から11月はもういやになっちゃうほど忙しい。
ほんとイヤになる。
特に10月中旬から11月中旬はピークのピーク。
度を越して忙しいのに加えて、繁忙期の初期の仕事のクレームやら顧客の落ち度をフォローしてあげたりやらでもうわけわかんなくなる。
ひとりの人間の処理能力には限りがあることを思い知らされる秋の夕暮れのつるべ打ち。
自分の心がウィンナーソーセージのギュゥゥゥって細くなってるところみたいに締めつけられていくのを実感するのがこの時期。ギュゥゥゥってね。ギュゥゥゥって。

なんだけど。
毎年のことなんだけど、11月の中旬がピークなんだよね。
ってことはもう乗り越えたんだよ今年のピーク。

毎年一番手がかかる仕事があって、それが先週終わったのね、めでたく。
いやぁ、うれしかったね。
あの仕事でギュゥゥゥってなってたから。ギュゥゥゥって。
「終わった〜!」ってなった時はスキップしそうになったよ。会社で。

というわけで、なんともすがすがしい晩秋を迎えている私、57歳。
でも心がギュゥゥゥってなってる時はけっこう危険な精神状態だったんだよ。詳しくは書かないけどさ。
でもそんな時でもブチギレて真夜中に校舎のガラスを壊して回ったり、盗んだバイクで走り出したりしなかったのは、以前ある人に言われた言葉に支えられていたからなんだよね。

何年か前、ある得意先の仕事でけっこうハードなことになってて。
あっちにもこっちにもどちらにも落ち度があるわけではなく、でも窮地に陥っていて。私とあっちの窓口の、私よりひと世代上の人とこの仕事をどう着地させようかああでもないこうでもないと知恵を絞ってたんだけど、私がやっぱりギュゥゥゥってなってたみたいで、ふとその人が言った。

「でも、まぁ、終わらない仕事は無いからね」

あたりまえじゃん、って思います?
あたりまえなんだよ。
でもこの言葉で私がどれだけ救われたことか。
その時だけじゃなくてその後も何度も何度も。
凡人はあたりまえの言葉に救われる。
毎年毎月毎週毎日毎日仕事でいろんなことが起こって、心が追い詰められるけど。
そのたび私はこそっと呟く。
「終わらない仕事は無ぇよ」

相手が誰であれ、心が追い詰められている人がいたら少しでも心を軽くするようなことを言ってみたいものだなぁ、と思っているんだけど。
だけどでも。
どうにも自分が追い詰められるばかりで人のことまではなかなか思い至らない。
まだまだ修行の日々である。

なんつってるうちに自分の人生が終わっちゃうんだろうけどさ。

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