悲しい結末しかあり得ない小説『縞模様のパジャマの少年』を読んだら

あるYouTuberが「2度と観たくない映画」としてこの小説の映画版を挙げていたので興味を持って読んでみました。
なるほどこりゃきついわ。

『縞模様のパジャマの少年』ジョン ボイン(著)John Boyne 

9歳の少年ブルーノはベルリンでなんの不自由もなく豪邸暮らしをしていましたが、ある日軍人である父が「ソートーさま」に異動を命じられ、母、姉、メイドとともに引っ越すことになります。
引っ越したのは、周りに他の家が一軒も見当たらない寂しい場所に立っている、ベルリンの家と比べたらずっと粗末で面白くもなんともない家でした。
そして、ブルーノにあてがわれた部屋の窓からはフェンスに囲まれた「シューヨージョ」が見えたのでした。
退屈でしょうがないブルーノが家を抜け出し「シューヨージョ」のフェンス沿いを歩いていると、フェンスの向こう側にポツンと座っている男の子を見つけ、話しかけます。周りに他の人かげはありません。

男の子の名前はシュムエル。話しているうちに、二人の誕生日が同じ1934年の4月15日ということがわかり、時々噛み合わない会話をしながらも親しくなっていきます。

この小説、ずっとブルーノ目線で進行します。
一人称小説ではないのですが、ブルーノが見聞きしたもの、ブルーノが知っていること、ブルーノが感じ考えたことだけが読者に伝えられます。
でありながら、一人称にしていないおかげで場面の描写や他の人物の言動の意味が読者に伝わりやすくなっていると思いました。

読んでいて面白いです。
面白くて先が気になってぐんぐん読んじゃいますが、終盤に行くに連れ、胸が痛くなってきます。ブルーノに「それはやめろ!そっち行くな!」と言いたくなります。

未読の方にはぜひ読んでいただきたいのですが、Amazonでは新刊がバカ高い値段になってますね。『縞模様のパジャマの少年』の定価は1,980円(税込)です。
品薄なのかなぁ。
岩波書店は返本無しの買い切りなので、探せば書店在庫があるかもです。

映画はこちら↓

縞模様のパジャマの少年 (字幕版)

私は未見ですが、小説のブルーノ目線が映画でどうなってるか興味があります。primeビデオのジャンルは「アクション, アドベンチャー, ドラマ」になってますね。

映画の紹介文では「8歳の少年ブルーノ」とあります。小説を読んでる時に「9歳にしてはちょっと幼いぞブルーノ」と思ったのですが、映画制作者もそう思って調整したのでしょうか。

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