毒の注射とか賞金稼ぎとか逆さ吊りとか。最近(テレビ画面で)観た映画2021年3月(3本)

最近テレビ画面で観た映画(旧作ってことですね)の記録です。今回は3本。

出不精なので、家でたくさん映画を観られる今の環境は嬉しいところ

と思っていましたが、歳のせいか映画とかある程度長いものを観る気力がなくなってきて、YouTubeをだらだら観ることも多くなりました。

YouTube鑑賞に関してはまた(気力があったら)書くとして、衰えゆく気力を振り絞って観た映画を気力を振り絞って書くことにします。

エスケープ・フロム・L.A.

エスケープ・フロム・L.A. (字幕版)

『ニューヨーク1997』の続編と紹介されていますが、なんかリメイクみたいな印象でした。同じ人が同じことやってる、みたいな。
前作よりはハイテク感がありますが、公開された1996年のハイテク感なのでもはやレトロ感がただよってます。
CGもなんか素朴です。大地震の災害のシーンやらなんやら。
1996年のCGってこんなだったかなぁ。
と思って1996年あたり公開のそのスジ映画を調べてみたら、『インデペンデンス・デイ』『マーズアタック』『トイストーリー』ってあれ?
普通に不自然じゃないCG時代になってた頃ですね。『ジュラシックパーク』が1993年ですからね。予算の都合でしょうか、それともジョン・カーペンターに何か考えがあったのでしょうか。そういうとこじゃねぇんだよ俺のフィルムは、みたいな

ちなみに1996年の日本のそのスジ映画は『ウルトラマンゼアス』『モスラ』『ガメラ2 レギオン襲来』などがありました。

オープニングの映像や音楽がどちらかといえば80年代チック(っていうか音楽は前作と同じ)で、そのあたりの気分で鑑賞すればいいのかな、と思ったらCGがあれでちょっと混乱しちゃいました。

CGにしろアクションにしろ最近の映画も観ている目で見ると何ていうかふわ〜っとした気持ちになっちゃいます。怖さや迫ってくる緊張感がないというかそんな感じ。内容によりますが、軽く楽しむ娯楽映画としてはこれくらいがいいような気もします。逆に最近の娯楽映画は暴力シーンや残虐シーンが強すぎるような気がします。「痛そう」で感情移入させるのは手法かと思いますが、歳のせいか最近の描写は痛すぎそうで目を背けがち。

前作が好きで未見の方は観るといろいろ面白いと思います。オチはきっとあんななのかなぁ、と思って観ていたらやっぱりあんなでした。
むしろ「ここは前作と全然違うじゃん!」というところを探すのがp面白いかもですね。

どっちが好きかと訊かれたらやっぱり前作ですねー。
『エスケープ・フロム・L.A.』はもう観ないと思うけど『ニューヨーク1997』はいつかまた観たいと思うもの。

ニューヨーク1997 [DVD]

ジャンゴ 繋がれざる者

ジャンゴ 繋がれざる者 (字幕版)

前から観たいと思っていたのですが、2時間45分という長さにちょっと避けていました。やっと観ました。

南北戦争直前のアメリカ南部が舞台だそうです。
黒人奴隷のジャンゴは、他の奴隷たちと鎖に繋がれ、裸足で歩かされていました。
そこへおかしな形の馬車に乗った男が現れて、奴隷や奴隷商人たちにいろいろ質問を始めます。
「ドイツ人の歯医者シュルツ」と名乗りますがなんでしょうこの人。
と思っているうちにパンパン銃を撃って奴隷商人を殺してしまいます。奴隷解放主義の人でしょうか?本当にあっさり銃を撃ちますこの人。映画全般にわたってずっとそう。スッと抜いてパンと撃って表情ひとつ変えない。むしろずっとうす笑ってるような顔。

シュルツの正体は賞金稼ぎで、目的はジャンゴでした。
ジャンゴが賞金首の顔を知っていることを知って、その判別に使おうとしたのです。
いろいろあって、ジャンゴも賞金稼ぎとしてシュルツと組むことになります。
シュルツがジャンゴを仕込むシーンもあるのですが最小限ですね。

しかし「とにかく人が死ぬ」映画でした。
クライマックスの銃撃シーンはすごいんだけどなんか笑いながら見てました。
後から後から悪人の仲間が駆けつけて端から撃ち殺されてく。時代劇で「何人斬り」みたいのがあるけどそんなノリ。小気味いいとはこのことだ。
人体に着弾するたび爆発したように血が飛び散ってたけど、あんなになるか?『第9地区』の銃撃戦みたくなってたぞ。

ずっと人を殺し続ける映画だけど、クライマックスでそれが極限に達します。ヤケクソかよ、ってくらいに。
こういうヤケクソ感、最近観たな、なんだっけ?と考えていたら『パラサイト 半地下の家族』のクライマックスのドタバタがヤケクソ感ただよわせてましたね(個人の感想です)。

殺人の追憶

殺人の追憶(字幕版)

というわけで、でもないんですが、ポン・ジュノ監督作品です。
これも観たいと思っていながら先送りしていた映画です。面白かった。もっと早く観ればよかった。

韓国で本当にあった連続強姦殺人事件「華城連続殺人事件」がモチーフだそうです。どの程度事実に沿っているかはわかりませんし、映画を観るのに必要というわけでもないので、観た後で興味があったら調べるといいかもしれません。

いつものおっさん(ソン・ガンホ)が事件を追う主人公の刑事役です(この頃はまだ「いつものおっさん」じゃないか。ポン・ジュノ監督長編映画第2作めだし)。

冒頭、とってものどかな農村風景から始まります。子供がイナゴを獲ったり、畑でカカシを壊して怒られたりしてます。『となりのトトロ』みたいです。
そんななので遺棄された他殺死体がとても怖く感じます。

田舎では珍しい残虐事件ですが、パク刑事(ソン・ガンホ)は、(たぶん)いつも通りの姿勢で捜査にあたります。
1986年という設定なので、刑事もいろいろ乱暴です。すぐ飛び蹴りとかします。何かとタバコを吸います。事件の現場でも「現場保存」と怒鳴りながらタバコを吸ってたりします。

昔ながらの日本の刑事ドラマなどで見慣れたシーンや展開もありますが、知的障害者を誘導して自供させようとしたり、取調べで拷問とかもします。容疑者を逆さ吊りとかにしちゃいます。乱暴です。トイレに「拷問禁止」とか貼り紙してます。
最近逆さ吊りにされる映画観たなーと思ったら『ジャンゴ』でした。あはは。
ジャンゴが逆さ吊りにされてチンコ切られそうになってました。
ジャンゴのチンコが大ピンチ(未遂)。ジャンゴ!チンコ!ピンチ!(しつこい!)

この乱暴さが当時の韓国警察の実態を反映してるのかどうかはわかりませんが、汚職暴力刑事とかではなく、事件解決のために働いている普通の刑事が当たり前のように拷問や嘘の自供をさせたりしているあたり、何かを訴えられてる気がします。

あとパク刑事がアメリカのFBIと韓国警察の捜査の違いを愚痴ったり、韓国ではDNA鑑定ができないのでアメリカに依頼して、結果もアメリカのジャッジ次第みたいなシーンがありますが、この辺りはポン・ジュノ監督の、映画制作に関する愚痴のようにも聞こえました。
アメリカに関する皮肉っぽい表現をちょいちょい自作に取り込むポン・ジュノ監督ですが、『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー監督賞、作品賞を受賞して、そういうとこ弱まるのか、もっと面白い形で折り込むか興味がありますね。

モチーフになった事件に関してはWikipediaにページがありました。
華城連続殺人事件

というわけで、今回は3本感想を書いてみました。それではみなさんごきげんようさようなら。

blinkjitu
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