BS松竹東急で8月に放送されて、録画していたものを鑑賞。9月になっちゃいましたが。
タイトルだけは知っていました。カッコいいですよね、タイトル。は。
日本の現状を憂う自衛隊員によるかなり大規模なクーデター計画の顛末、という内容なんですが、クーデターを起こす側も阻止する側も冷酷で非人間的、一般市民は善人ですが、理解不能な行動が多く、誰にも感情移入できない、豪華出演陣の割に残念な映画になってました。
序盤は割といいんですよ。岩手県でパトカーがマシンガンで撃たれ爆発する事件が起きて、それに対応する態勢が整えられていく。
「なにが起こってるんだろう?」という謎に引っ張られて観ていられる。18分くらい。
20分を過ぎるとダラダラしてきて「??」な場面も多くなってきます。
開始されたクーデター計画もなんかずさんで、
「何でわざわざそんな目立つことしてんだ?」
と何度も思いました。
ブルートレインを乗っ取る計画なんですが、他の客も通るであろう通路にみんな並べて作戦について話したり、駅で停車したわずかな時間に何人もで走り回って車両に爆弾仕掛けたりしてます。
バレたくてしょうがないように見えます。
でもその謎は終盤で解けるんです。
ブルートレイン乗っ取り隊長の藤崎(渡瀬恒彦)はオツムがかなりアレな人間だったのです。ホントです。国を憂いているようなことを言ってますが全然そんなんじゃなくて、東京のクズみたいな人間をマシンガンで撃ち殺すとか、東京駅でブルートレインを爆発させるとか言い始めます。これじゃ殺人狂のテロリストです。しかも死にたいみたいですこの人。
過去のクーデター事件や三島事件の記録映像も使われていて社会派風ですが、人間の行動がでたらめなのでどうにも届きません。
クーデター計画の陰には政界の黒幕や日本の再軍備を望むアメリカも居たりして、最後は事件を闇に葬る怖い結末でしたが、登場人物たちの行動がどれもこれもアレなので、そういうところも「ふ〜ん」とハナホジな感じになっちゃいました。
1978年公開の映画ですが、調べたら『スターウォーズ』『未知との遭遇』『カプリコン・1』『ブルース・リー 死亡遊戯』『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』など、16歳のわたし的必見映画がたくさん公開された年でした。『野性の証明』もこの年で、「国家権力の陰謀」みたいのが流行りだったのでしょうか。角川映画の娯楽大作路線に対抗っていうか便乗っていうかそういう気配もあったかもしれません。
その翌年には『戦国自衛隊』が公開されてますが、渡瀬恒彦はここでも問題自衛官役で出演してましたね。
出演者が(無駄に)豪華なので、有名俳優さんたちの45年前の姿がたくさん見られて、それだけでも楽しくなくもないかな。
吉永小百合はやっぱりお美しかったです。濡れ場的なシーンもあるしそういうとこ貴重なのかも。
ちなみに原作があります。レビューを読むと何だか映画と同じ欠点があるような感じもしますがどうなんでしょう?