西暦2024年12月7日土曜日の夜。道路で転けて右手を骨折しました。
いささか柔道の心得のある私ではありますが。
その日は右手にレジ袋を持っていたので握った状態で転倒してしまって受け身が取れなかったようです。
そう。
「ようです」です。
よく覚えてないようです。
なぜよく覚えてないかは言いたくないようです。
帰宅して家族に驚かれ(顔もぶつけて腫れていたので)、意気消沈してそのまま就寝。
翌朝。
なんか右肩が痛くて起き上がるのにひと苦労。
右手を見ると手の甲が腫れ上がり、あんパンにウィンナーソーセージを5本、いい具合の配置でブッ刺したみたいになってます。
ちょっと青ざめていたからうぐいすパンに例えたほうが気が利いてるかなって今思いついた。
鏡を見ると右目の目尻から頬にかけて擦り傷があり、ちょっと腫れていた。
「目」「肩」「手の甲」
アリナミンAかよ。
ありゃ「目」「肩」「腰」か。幸い「腰」はなんともないようだった。
「折れてるかもよ」
右手を見た妻が言う。
「折れてるかもね」
私が答える。
「きっと折れてるよ」
妻が重ねて言う。
「きっと折れてるよ」
私も負けじと「折れてる」に一票を投じる。
というわけで日曜日もやってる病院を検索すると、以前新型ウィルスのワクチンを打った病院が開いていて、整形外科もあるというので妻の運転でそこへ向かった。
かねて用意のマイナ保険証で受付、みたいな事務的な話は端折って、まずは頬骨、肩(というより肋骨だった)、そして右手のレントゲン撮影。
しばし待たされてから医師の元へ。
まずは頬骨のジャッジ。
レントゲン写真では異常は認められず、噛み合わせの異常があるかなども聞かれたが、それもないので頬骨は異常なしの判定。
次は肋骨ジャッジ。
肩に近いあたりの骨にうっすら影のような筋が見える。
「ここが怪しいですね、でもこれはね」
怪しいけどまぁほっといていいやの判定。
そして問題の右手。
「手は〜あ〜、折れてますね。ここが。粉砕骨折ですね」
医師がボールペンで指し示した部分を見ると明らかに他と形が違う。
ふんさい……
こっせつ……
「ふん」て、粉?
「さい」は砕く?
つまり?
私の手の骨は?
砕けて?
粉に?
なっちゃってる?
ってこと?
「粉骨砕身」という言葉があるが。
会社ではいつもそんな感じだが(嘘つけ)。
本当に人の体って砕けて粉になるんだね。
「隣の骨と形が違うのわかります?小指の骨が陥没してここがバッとハスの花みたいに開いちゃったんですね」
……砕けた骨が粉で陥没でハスの花。
気が遠くなってきた。
【つづく】
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