日々棒組み702 ブラック親父の眼は光る。うれし涙で。

[大好評ブラック親父シリーズ第3弾]

“お絵描きがじょうず” という娘の特殊能力を利用してひともうけたくらむブラック親父。
LINEスタンプの他にも娘の能力を切り売りする方法はないかとネットを検索しまくる毎日。
ブラック親父よ。それでも父親か。
お前にはもう人間らしい心は残っていないのか!

知るかっ!
金さえあればいいんだ!金は力だ!力さえあればいいんだ!

ひねくれて星をにらんだブラック親父なのさ。
と、その時。
玄関のドアが勢いよく開き、娘が駆け込んできた。

「父ちゃん!辞令だ!JKになったよ!」

というわけで。
アヤさん、無事、第一志望の公立高校に合格いたしました。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
思えば。
中学の入学式は雪でした(寒かった!)。
そして、高校入試当日は交通機関の乱れが予想されるほどの大荒れの天気(実際はそんなでもなかった)。そして高校の合格発表の今日も大荒れの天気予報(やっぱりそんなでもなかった)。
そしてつかんだ「合格」の二文字。
雨降って地固まる。そんな日々でした。

塾から帰宅したとたんにザ・ブルーハーツの「リンダリンダ」を熱唱しだすなど、心配行動も見られましたが、それも今では過ぎ去りし想い出。毎日夜までの塾通いも、今日ですべてが報われたさ。

そして。ふと見ると、血も涙もないと思われたブラック親父の目も、涙でキラリと光っているのでした。

しかし。
しかししかし。

その光もやがて邪悪な色に染まっていったことには誰も気づかなかったのでした。

つづく

 

 



[追伸]

本日、お祝いの夕食の席、アヤがこんなこと言いました。

「私さぁ、

 一回くらい挫折してもいいかなって思ってたんだけどね」

はい。
まぁ。

今日のところは何でも言ってください。


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