熱いぜ特撮最終回#5『シルバー仮面』

一部地方の一部年齢層に大人気特撮番組の最終回を紹介するコーナーも第5回。
今回は、前回の『ミラーマン』の裏番組だった『シルバー仮面』。
なんですが、一部地方の一部年齢層の方はご存知だと思いますが、等身大ヒーローだった『シルバー仮面』は、途中で突然でっかくなって、番組名も『シルバー仮面ジャイアント』になっちゃったんですね。
じゃ、シルバー仮面の最終回ってどれなんだ、と。
でっかくなる前までが『シルバー仮面』で、でっかくなっちゃった後は『シルバー仮面ジャイアント』だからもうそれは『シルバー仮面』じゃないのか、と。こりゃ難しい問題だぞ、と。ヘタこくと大炎上だぞ、と。シルバー仮面で。
2018年の夏にこんなことで悩んでるのは世界で私一人だと思いますが。
しかし私は気づきました。
第〇〇回の数字がつながってるじゃん!ちっちゃくてもでっかくなっても続いてるじゃん!

シルバー仮面


ということで、今回紹介するのは、

『シルバー仮面ジャイアント』最終回(第26回)「アンドロメダ2001」

オープニングからいきなり怪獣が火を吹いて大暴れしてます。街は火の海です。歌が終わると同時に銀色のコンコルドによく似た飛行機が飛んできます。
これは春日兄妹が操縦する光子ロケットですね。
長男光一が命令します。
「ミサイル攻撃用意」
そうです。光子ロケットにはミサイルが搭載されているのです。
ミサイル攻撃を受けて怪獣(ワイリー星人だそうです)は一旦姿を消しますが、その消え方が不可解だったため、油断しちゃダメだぞ的な空気が流れます。
基地に戻ってワイリー星人捜索活動をしている春日兄弟は飛行中の宇宙船を発見します。
「そいつだ!」
光二が叫び、一同は再び光子ロケットで出動。今度こそ悪い宇宙人をやっつけてやるぞと気がはやります。
やがて前方から飛んでくる宇宙船と遭遇、光一が「ミサイル発射用意」と命じたのに光三はなぜか光線兵器で宇宙船を撃墜します。三男坊は前からお兄さんの言うことなんて聞きません。
火を吹いて山の中に墜落する宇宙船。結果オーライ。光一も何も言いません。悪い宇宙人さえやっつけられれば武器なんてなんでもいいんです。
宇宙人を確実にぶっ殺したか確認のため着陸した兄弟は中途半端に山に突き刺さっている宇宙船を発見、「爆破した方がいいな」と近づきます。
すると墜落した宇宙船の中から地球人そっくりで銀色の服を着た女が赤ん坊を抱いて出てきて言いました。
「船内に、夫と父がいます。助けてください」
「兄さん、やめたほうがいい」
光三が言いますが、宇宙船に入った光二は二人の死体を発見します。
「お前たちはどこの星から来たんだ」
銃を向けて問い詰める光三に女が答えます。
「アンドロメダ第2星雲から来ました。30年かかってやっとたどり着いたのです」
「地球へ来た目的は?」
「地球との交流をはかるためです」
なんと平和目的でやってきた宇宙人だったのです。
そう言われればさっき暴れていたワイリー星人とは似ても似つかない姿です。大きさも全然違うし。きっと本当にいい宇宙人なんでしょう。
「嘘つけ!侵入者のくせして!」
でも光三は信じません。
「信じてください!」
「だったらなぜ街を襲ったりしたんだ!」
三男坊はいつも一生懸命でちょっとまとはずれです。
女の話から、ワイリー星人はアンドロメダと地球が仲良くするのを妨害したいんだということがわかります。いい宇宙人も悪い宇宙人も遠くからご苦労様です。
光三だけじゃなく、今まで悪い宇宙人にひどい目にあってきた春日兄弟は簡単にはアンドロメダ星人の言葉を信じられませんが、話しているうちに意識を失った女を休ませるため近くの町に連れて行きます。
病院へは行かず、一行は「動画先臨海ホテル」に部屋を取り、女を休ませます。
海岸でギターを弾く光二、宇宙人の赤ん坊(リンちゃんという名前です)を抱いてあやしながら子守唄を歌うひとみ。忘れていたのどかで平和なひと時。
やがて心を許し始める春日兄弟。
光一がアンドロメダ星がどんなところか女に訊くと、
「地球によく似た星です。夕日は赤いし潮風は磯の香りがします。でも人々はとっても寂しがりやで友達を欲しがっています。私たちは地球人と握手がしたくてやってきたのです」
平和だ。平和な人たちだ。30年もかけて友達を探しにやてくるなんて。さぞかしその30年は寂しかったろうに。
そんな語らいのさなか、ワイリー星人が火を吹きながら現れます。
シルバー仮面ジャイアントに変身してワイリー星人と闘う光二。
殴る、蹴る、巴投げる。
他の兄妹も銃を撃って援護します。光子ロケットはどっかに置いてきちゃったんでしょう。
アンドロメダ女が両耳から外したイヤリングをひとつにくっつけてワイリー星人に投げつけると大爆発。怒ったワイリー星人はアンドロメダ女を火だるまにすると再び姿を消してしまいます。
(ここで前半終了コマーシャル)

 


大やけどを負って包帯だらけの女はまたホテルのベッドへ。病院には行けないのでしょう。保険証がないから。
友を求めてはるばるやってきた宇宙船を撃墜して父と夫を殺してしまい、ワイリー星人からアンドロ女を守ることができなかった春日兄妹。
傷心の長男光一は光二に言います。

「光二、アンドロメダへ行かないか?」
驚く光二。
「リンちゃんを故郷へ帰してあげたいんだ。それがアンドロメダの友情に答える唯一の方法だと思うんだ」

結局、彼氏がいるひとみは地球に残し、光一、光二、光三、リンちゃん、そして片道30年の旅では大人たちは向こうに着くのが精一杯だということで津山博士の娘リカちゃんと、春日兄妹のおじさんの息子(いとこになるのか?)も一緒にアンドロメダへ向けて旅立つことになります。
そしてロケット発射寸前、あいつが現れたのです。あいつ。ワイリー星人が。
すかさず現れるシルバー仮面ジャイアント。
殴る蹴る蹴る殴る一本背負に大外刈り、大きくジャンプして、ジャンプして、え?なんだありゃ?銀色の輪っかをたくさん出して着地。ワイリー星人に輪っかを投げると、輪っかが頭からすぽすぽはまっていきます。
シルバー仮面が両腕を振り回すと輪っかから電撃みたいな光線が出てワイリー星人は大爆発。シルバー仮面最後の勝利。

無事飛び立つ光子ロケット(ベム5号という名前があったらしい)。
子供達はあどけない顔で眠っています。二人とも10歳前後でしょうか。これから片道30年。ゲームもコンビニもNetflixの動画配信もない宇宙の旅。あっちに着いたら40歳、とんぼ返りで70歳。人生賭けた旅になりそうです。子供にはさぞつらかろうと視聴者の涙を誘ったところで『シルバー仮面』、完結でございます。
これで地球に平和がやってきたかは不明ですが、テレビの前の子供たちは、これで来週から安心して『ミラーマン』を観られる、という心の平安がやってきたのでありました。

→[特撮最終回総目次]

 

 


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