8月戦争映画特集。第なん弾だか。
今回は『鷲は舞いおりた(原題:The eagle has landed)』1976年製作のイギリス映画。監督は『大脱走』のジョン・スタージェス、出演はマイケル・ケイン、ドナルド・サザーランド、ロバート・デュバル。
映画は初見、ジャック・ヒギンズの原作を遠い昔に読みました。
ヒトラーの冗談(?)から始まった英首相チャーチル誘拐計画が、ひょんなことから「これいけるんじゃね?」ということになって、ある事情で軍務から外されていたスタイナー大佐ひきいるドイツ軍精鋭部隊が投入されるというお話。
ひょんなことから「チャーチルでも誘拐してみっか」みたいになっていくあたりは意思決定が不合理な組織の恐ろしさがあって、身につまされるものがあるが、作戦は淡々と順調に進んで行く。村娘といい仲になるやつもいて「おいおい」と突っ込みたくなる。
このあたりは小説なら深く細かい描写で現実味を出せるのだろうが、映画で表面的な動きだけ見ているとさらさら進んで行くばかりで、観ている方も「これなら誘拐できちゃうんじゃね?」と思えてくる。
もちろんそんなに順調に進むわけがなく、いくつかの事件で部隊は追い込まれてゆく。
そのあたりから戦闘シーンもあるのだが、アメリカ軍の隊長が無能なやつで、あやうく「コメディ映画か?」という展開も。
そして、どこまでも追い込まれても作戦遂行を目指すスタイナー大佐、という展開になってゆくのだが、なんかあんまり緊迫感が感じられないというか、淡々とチャーチルに迫っていくんだよなぁ。誰にも感情移入できないまま観てたからだな。
「スタイナーがんばれ!」でも、「チャーチルピーンチ!」でもないからぜんぜんハラハラしないのね。
原作はスタイナーに感情移入して読んだような記憶がうっすらありますが、映画はどちらかというとドナルド・サザーランド演じるIRAの闘士デヴリン目線で進んでいたように思います。村娘といい感じになっちゃうし、別れもあるし。
でも最後にチャーチルに迫るのはスタイナーなので、このへんちょっとちぐはぐだったのでは。
製作は1976年ですが、日本公開は1977年だったようです。他に1977年公開の映画は『キャリー』、『ロッキー』、前に感想を書いた『カプリコン1』もこの年ですね(→『カプリコン1』を観たよ)。あと『遠すぎた橋』、『サスペリア』のころですね。私は15歳、中3でした。
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*そんなわけで映画はちょっとちょっとな感がありましたが、原作は永遠の名作ではないでしょうか。未読の方はぜひ。長いけど(文庫で574ページだそうです)。
邦題、映画は「舞いおりた」、原作は「舞い降りた」ですね。最初気づかず書いてしまって修正しました。
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