もーなんだよこれおもしれーよ。
日本のヤクザの緊迫した(そうでもないか?)シーンの後にロシアの刑務所で囚人がパンツ縫ってるってもう何が何だかの幕開け。
でもこのリズムで「この映画は面白い」ってちゃんとわかる。映画を満たしてるエーテルみたいな何かがある。それさえあればどんなに無茶な展開でもバラけないでつながっていく。ベタでもすっ飛んでいても観ていられる。むしろ無茶っぷりが愛おしくなってくる。
主人公ユリコは、たった一人の身寄りがヤクザの大親分の10歳の少女なんだけど、なんかもう何が起こっても自然体で対処してたくましいやらたのもしいやら。その姿を見ていると日常の些細なことで思いわずらってるいい大人の自分が恥ずかしくなる。
人生ああありたいもんだ。何事にも対処する肚、そしてなにより「義理」を重んずる姿勢。素敵。
ところどころ吹き出してしまう場面はあったが、ゲラゲラ笑って観るような映画ではない。でも「お笑いメーター」の針が高いところで固定されているので、ずっと楽しい気分で観ていられる。もう変だよこの映画。変。「変」がクランクのようにクルクル回って話を引っ張っていく。変。でも大好き。
時々奇跡のようにあらわれる「観てると幸せになれる映画」。
ロリコンではないけれどやっぱり少女には不思議な力があるんだと思う。
出演: 荒川ちか;六平直政;新井浩文
監督: セルゲイ・ボドロフ, グカ・オマローヴァ
2011年のロシア映画。
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