知的障害者の父とその娘のお話ということで、みんな「それなりの重さ」を予想して観たり、逆に観るのをやめたりするのだろうけど、そういう重さは感じないような映画になってました。
要所要所で流れるビートルズのカヴァー曲、語られるビートルズに関するうんちく、映画やテレビ番組の引用などで、映画全体が「楽しいリズム」になっていたと思います。
そして、出てくる人が基本的にみんないい人です。父サムから娘ルーシーを取り上げようとする立場の人たちもまじめな善人です。
冒頭にひとりだけ「お前なぁ、」ってやつが出てきますが、これから観る人にために内緒にしておきましょう。映画の紹介文に出ちゃったりしてますが、私は知らずに観て「そんなっ」と思いました。
ハンデやコンプレックスや心に傷のある人に優しい映画だと思いました。希望がある。たとえリアルでなかったり、展開がご都合主義だったとしても。劇中の娘のセリフ「愛こそすべて」。この映画を観ている間だけでも信じられればいいと思うよ。
ひとつだけ、娘がいる立場で自分のことを言わせてもらえば、ルーシーが描いたあの、自分が父親の手を引いているようなあの絵にはちょっとドキッとしたね。
俺も娘にいろいろ能力的に追い抜かれて手を引かれる時がくるのかなぁ、そもそも手を引いてくれるかなぁ、置き去りにされちゃうのかなぁ、でもその時は笑って見送らなきゃ、とかいろいろ考えちゃいました。字とかとっくに私よりじょうずだし。
そんな気持ちになった時にはまたこの映画を観よう。
監督:ジェシー・ネルソン、出演:ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダコタ・ファニング 2001年のアメリカ映画でした。
ちなみに、娘役のダコタ・ファニングは『となりのトトロ』英語版でサツキちゃんの声をやったそうです。安達祐実に似てるなー、と思って観ていましたが、ネット上でも写真を並べて語っている記事がいくつかありました。ふたりとも可愛かった。そして大人になりました。とさ。
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