会社帰りの電車の中。
読書にも飽き、iPhoneでツイッターを眺めていたら、
「中学生向けのSNSの名前を間違えてポルポトと言っている中学生がいた」
というツイート。
ポルポトはともかく中学生向けのSNSって?
「中学生向けSNS」で検索すると「ゴルスタ」という単語が。
なんじゃそりゃ?とさらに調べると「ゴルスタ」とセットで「炎上」「危険」「個人情報流出」「独裁的」「反省文」など不穏な単語が並んでいる。
なんじゃこりゃ?
中学生の娘を持つ親としてはワクワク、いやハラハラドキドキしながら各記事を読んでいくと、「ゴルスタ」という名称の中高生専用のSNSがあるのだが、会員がゴルスタの運営の批判などをツイッターに投稿すると、その会員のアカウントを停止。該当ツイートをリツイートした会員もアカウント停止。で、アカウントの再開を求めると、「反省文」の提出を要求し、運営側が「まぁいいでしょう」と認めた場合はアカウントを再開して「あげる」ということらしい。
あーもうびっくりした。
びっくり1 従来のネットのサービスはユーザー本位で、気の毒なくらいユーザーの嗜好を気にしていると思っていたが、ユーザーの嗜好など鼻くそほどにも気にしていないサービスがあった。
びっくり2 運営に言われた通りに反省文を書く中学生(だか高校生だかなりすましだか)がいる。
びっくり3 その反省文によるとアカウント停止されたが泣いてその再開を求める子がいる。
びっくり4 運営側のツイッター公式アカウントが、「威力業務妨害」だの「警察に通報する」だのと子供相手に恫喝としか思えない投稿をしている。さらに相手の実名も晒したらしい。
ちょいびっくり その運営側公式ツイッターはフォロワーの多さに力があると思ってるらしい。
いやもうほんといや。こういうの。
泣いてアカウントの再開を求めるサービスってどんなんだ?とも思うが、「反省文」とか聞くだけでゲロ。
学校とか必ずそういう思考の教師がいたけど、会社とかにもいるんだよね。権力持つと無意味に振り回し始めるやつ。私はそういうやつに会社を追い出された過去があるのでこういうのほんとダメ。こういう、人を思い通りに動かしたいという欲求の匂い。
これもユーザーに対して力があると思い込んじゃったやつ(ら)の暴走でしょう(と、むしろ思いたい。もしもそうではなくて何か深い深い意図があったりしたらもっと怖いが、ツイッターのフォロワーの多さを自慢げにチラつかせるあたりで程度が知れる)。
電車のなかでそういう嫌な匂いにビビりながら、まさか我が家の中学生は使ってないだろうな、と心配になってくる。
家に帰ってアヤに、
「ゴルスタって知ってる?」
と訊くと、
「ああ、あれね。今日ツイッターで見た」
と半笑いで答える。
「使ってないの?」
「まさか。今日知ったよ。あれ、ゴルバチョフのゴルとスターリンのスタでゴルスタだって誰かが言ってたよ」
なんだおまえ。
俺より詳しいじゃんかよ。
娘の頼もしい言葉にホッと胸をなでおろすとともに、ゴルスタがどんなサービスかこの子を潜入捜査に送り込みたいという衝動を必死で抑える父であった。
でもアヤさん、pixivのアカウント教えてくれないんだよなぁ。扶養家族のくせに。反省文だ反省文!
*追記*8月27日
ゴルバチョフスターリンは誰かの皮肉だろうけど、こういう話を聞くと、束縛されるようなサービスのどこがいいんだ、とか、ツイッターの投稿まで監視して粘着質にもほどがある、とか反射的に思ってしまうが、この一件でひとつ思ったのは、他のSNSサービスがアカウントを取ったら取りっぱなしであとは勝手にどうぞ、なのに対して、ゴルスタはユーザーの動向をじっと見つめ続けてるわけで、そういうとこで「ひとりの人間として見られてる感」を得ている子供もいるのかもしれないな、ということ。だからアカウント停止されるとその喪失感から、泣いて謝っちゃう(確実に脅してもいるけどさ)。まぁそういうところで「新興宗教かよ」と突っ込まれてもいるんだけど。
ゴルスタをサービスしてる会社って教育関連の会社らしいけど、教育教材を送りっぱなしにするか、丁寧に添削してやり取りするかくらいの違いはあるのかな、と思ったり。ひょっとして、もう少しこなれてくると、ユーザーをひとりの人間として扱い、関わるSNSサービスが伸びてくるのかもとちょっぴり思いました。ちょっぴりね。
コメント
へー、あーやはpixivのアカウント持ってるんだ。
実は俺の会社
pixivと同じビルにあるんだ。ていうか去年までpixivのオフィスだったとこをそのまんまつかってるんだけどね。
なんでかっていうとまあ、仲良しでpixivの社長は俺の会社の役員でもあるんだよ。あーやのアカウント、裏手回しでしらべちやったりできないかなー(笑)
こらこら。そんなことしたら「pixivから個人情報漏洩1件」って地味な事件になっちゃうよ^^;
アヤのパソコンは俺が設定とかしてるからそっと調べられなくもないと思うけどやんないんだ。
手描きの絵とかは「うまく描けた」とか言って見せてくれるけど、pixivは教えてくれないんだよねぇ。
エロい絵でもアップしてるのかなぁ。
今年の初め頃かな、pixivがリニューアルして非公開プックマークが無くなるってことで、かなり炎上したんだよね。つまりみんなどんだけ人に見られたくないイラストが好きなんだってこと。まあ、エロ本の隠し場所に苦心惨憺したオレたちの時代に比べて、なんと世の中の進歩したことよ。少年時代に読んだ夢の21世紀予測にもそんなことはぜんぜん描かれて無かったな。
「21世紀にはコンピューターが発達して、誰でも中学生でも自宅でエッチなマンガやエロ動画がいつでも好きなだけ観れるようになるでしょう」
ああ、夢の未来。
俺んち実家が古本屋でさぁ、エロ本隠すどころか売ってたんだよねぇ。堂々と。家族ぐるみで。
夢の21世紀は古本屋にとっては悪夢ですなぁ。