上下巻ある長い本なんだけど、ざっくり言うと物の見方とか見る角度みたいな話で、そもそもホモ・サピエンスが他の人類種であるネアンデルタール人やホモ・エレクトスを差し置いて(あるいは駆逐して)生き延びたのは「虚構」を共有出来る能力を身につけたからだ、って話から始まって、その後の人類の営みをその視点から延々語り続ける内容。
もうみんなそれ。我々サピエンスは。
神話も宗教も資本主義や貨幣経済もみんなで虚構を共有できてこそ。
なるほどなーとは思う。広告もマーケティングも詐欺もカルト宗教もみんな(並べちゃ悪いが)虚構を共有できてこそ成立する。
マーケティングはちょっと違うかな?まあいいや。
面白いんだけど、特に冒頭のネアンデルタール人とホモ・サピエンスが世界に共存していた頃の話とかは普段考えたりしない状況なので想像すると面白いんだけど。
だけど。
長いよ。上下2巻もいらないよ。途中ちょっと飽きたよ。
知識があって話の面白い先生の雑談を聞いてるような感じでもあった。面白いけどあまり実にならないっていうか。まぁ私の読解力に問題ありなのかもしれないけどさ。
あと、読後どうにも物足りなく感じてしまったのが、最終章で語られるホモ・サピエンスの未来予想が、SFファンなら30年以上前に読んでいるサイバーパンクのアイデアそのままで、遠くへ連れてってもらえるのかと思ったら「そこかい!」みたいなとこに着地しちゃったことかな。
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
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