もうなんてんでしょう。日に日に体が固くなっていく。そんな人生の最終コーナー。
股関節とか固くて固くて駅の和式の便所とか座れない。
思えば。
和式の便所というのは日々の体には負担なのかもしれないが、長い目で見たら下半身を甘やかさず、結果人生にはプラスなのではないか。そうに違いない。
和式便器を捨てた時、日本人は破滅への道を歩み始めたのであろう。
でももう遅い。
もう和式便器の生活には戻れない。無理だ。しゃがめねーもん。
そこに和式便器しかなかったらンコは我慢するか、立ったまま脱糞する技を身につけるかしかない。
和式便器に戻れない私は、日々固くなる股関節を抱え途方に暮れた。
途方に暮れ、しゃがむ体勢を目指してストレッチを始めた。
かかとを床につけて尻を落として行く。
だが、いくらも尻を落とさないうちに後ろに倒れてしまった。
やれやれ。
ゆっくりやり直しだ。
しゃがむ練習をするなんて、若い頃は想像もしなかった。これだから若いもんはと年長者に言われるのだ。その、自分の行く末を想像する謙虚さに欠けるゆえに。
何度か続けているうちに少しずつ尻の高度を下げられるようになってきた。
あちこちの痛みに耐えながらではあるが。
そして。
何日かやっているうちに尻を落とし切れるようになった。あちこち痛いが。
まだまだ俺も若いもんには負けないぞ。そう思ったのもつかの間。
ちょっと怠けるとすぐ固くなって最初からやり直し。後ろに倒れるところから。
思えば和式便所は偉かった。
子供から年寄りまで、毎日あの体勢を強いることで日本人の股関節の硬化を防いでいたのだ。
死んだじいちゃんとばあちゃんも80過ぎまで和式便所のお世話になっていた。
というわけで、毎日テレビを観ながら、本を読みながら、しゃがむ練習に余念がない私でした。
そういえばこの別名「うんこ座り」は、ヤンキーのポーズとしても有名だが、ひょっとしたら和式便器を捨てた日本人の体が股関節の硬化を防ぐために本能的にとらせているポーズだったのではないか?
「ヤンキー」という、(おそらく)物を考えずに虫のように生きている連中だからこそ本能に命じられて「うんこ座り」しているのではないだろうか。
つい最近もヤンキーが主役のドラマが人気になったりしたらしいが(観たことないけど)、それもきっと日本人のDNAが股関節に命じられて起こした現象だったのではないか。日本人は股関節の必要によって行動する、そんな民族だったのではないだろうか。
「股関節に支配されるニッポン民族」、そんな事実が明らかになった日曜の夜。
こうしてブログを書いている間にも私の体は固くなっているので、投稿を終えたらまたしゃがむ練習の開始である。股関節が命ずるままに。
股関節に栄光あれ!讃えよ股関節!
どっこいしょっと。