ハイブリッド映画『チャッピー』“CHAPPiE”を観たら

冒頭、「ロボコップじゃん!」と思いましたが、観ていたら「『シティ・オブ・ゴッド』じゃん!」となり「『第9地区』ですか?」と続き、さらに観ていたら攻殻機動隊?みたいなところで終わりました。

兵器を作る会社が開発したロボットが警官として活躍する南アフリカのヨハネスブルグ。警官ロボットの開発者ディオンは心を持ったロボットのためのソフトの開発に成功しますが、実機への搭載は会社側から拒否されます。

心を持ったロボットといえば日本では『鉄腕アトム』、『人造人間キカイダー』、『さすらいロボ ヤスジロー』などが有名ですが(ホントか?)、キリスト教を信仰する人には、人間以外が心を持つという物語は受け入れられにくいと聞いたことがあります。『ブレードランナー2049』なんかはそこが物語内で大問題とされてましたよね。

でもこの映画で心を持ったロボットの製作が拒否されたのは「警官(というかほとんど兵隊)に心はいらないだろ」という理由でした。

このあたりで、兵士や労働者の人格が認められていない社会なのだということがプンプン匂います。

それでもディオンは心を持たせるためのプログラムを使ってしまうのですが、いろいろあって心を持ったロボットは町のギャングの元で生活するようになります。
“チャッピー”というのもギャングのひとりがそのロボットにつけた名前です。

再プログラムされたばかりチャッピーは子どもと同じまっさらな状態で、教育が必要なのですが、チャッピーを心正しく育てたいディオンに対して、ギャングたちは自分たちの仕事(強盗を計画している)の役に立つように銃の撃ち方を教えたり、ギャングらしい言葉づかいや振る舞いを教えたりします。

このあたりややユーモラスだったりしますが、私は映画『シティ・オブ・ゴッド』で、犯罪地区で生まれた子どもたちが、生きていくために幼い頃から犯罪に手を染めて悲惨な状況に追い込まれていく展開を思い出してしまいました。

観ていて、チャッピーのフォルムや動きが『第9地区』の宇宙人にそっくりだな、と思いましたが、同じ監督だったんですね。で、そのニール・ブロムカンプ監督(Neill Blomkamp)が『第9地区』でも舞台になったヨハネスブルグ出身なのだそうです。そんなことちっとも知らずに観てました。監督の2本の映画を観たところかなりハードな土地柄のようですが、実際どうなんでしょう?

というわけで。

ハードな土地で意識を持ってしまったロボットチャッピー。

終盤派手なアクションに突入して人もたくさん死にますが、そのあたりはカラッとしてて完全に娯楽になってます。人間が絡むロボットアクション面白いです。

結末も『第9地区』みたいな悲しいものではなく、なんていうか突き抜けた、もっというと人間にはそれでよかったのかどうなのかわからないような、でもまぁ良かったんだろうねきっと。みたいなものになってます。

いろいろ包含しながら、大枠は娯楽でまとめました、でもちょっと残るものはあるよね、というお得な映画でした。

 

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