夏休み映画劇場3:ラクダが時々カメラ目線。『アラビアのロレンス』“Lawrence of Arabia”を観たら

暑い時に暑い映画を観ると言うのはどうでしょう?
砂漠をラクダで横断する映画『アラビアのロレンス』とか。
とはいえ3時間47分(休憩時間含む)の長い映画。通して観るのは最初からあきらめて、予定を立てて3回に分けてみました。これなら1回1時間ちょい。老いた体に優しい鑑賞法といえましょう。

アラビアのロレンス (字幕版)

少し前に読んだサイクス・ピコ協定に関する本にこの映画の優れた点が解説されていて、観たいなぁと思っていたらNHK-BSで放送されたので録画して鑑賞(読んだ本についてはこちら →池内 恵/著『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』を読んだらhttps://oto-ra.com/?p=7248)。
本では、当時の国際情勢や中東情勢などをドラマの中に巧みに織り込んでいることを褒め。ていました。
ということなので安心して普通に楽しむことにしました

だいぶ前に一度観たのですが、あらためて「きれいな映画だなぁ」と思いました。
放送は「4Kレストア版」となっていましたが、我が家は非対応なので普通の液晶テレビ画面での鑑賞。でもきれいでした。砂漠とか空とか。
昔の西部劇映画なんかでも景色の美しさに見とれることがありますが、同じような感動がありました。なんかいちいち絵画のように決まってる。

分割して観たおかげで、物語にも集中できました。
ロレンスが自分と関わりのあった人間をやむを得ず殺す場面がありますが、こちらの胸も痛くなりましたね。集中力が切れてると流して観ちゃったりしますからね。

砂漠を横断中にラクダから落ちて置き去りにされそうになった男をロレンスが単身助けに戻り、ベドウィンたちの信頼を得るシーンなども感情移入して観ることができました。
『弱虫ペダル』で、チームから遅れた選手を待って、トップあたりを走るチームまで一緒に走って連れ戻すっていう無茶なエピソードがあるのですが、たぶんロレンスのこれが元ネタですね。
それはどうでもいいか。

感情移入したおかげで終盤に向けてロレンスの立場が微妙で複雑になっていくあたりは観ていてちょっと疲れました。
いろいろな事情や偶然や思惑で「英雄」にされたロレンスが周囲の評価も自分の気持ちも「英雄じゃない」になっていく過程。
映画を通してロレンスの「英雄」 →「英雄じゃない」という流れを見せていますが、ロレンスが最初に「英雄じゃない」ことに気づいて、そのあとなんかヤケクソ気味になっていくところが切なかったです。

はじめに書いたように、絵がいちいち決まってて感動するんですが、なんでしょう、ラクダたちが時々カメラ目線のように見えたんですね。
画面右から左に歩いているラクダが、顔だけこっち向いてたりする。
カメラマンが気になるのかと思ったけど考えすぎかなぁ。

「アラビアのロレンス」で本を検索したらこんなの見つけました。

アラビアのロレンス (昭和41年) (少年少女世界の名著〈11〉)

原作の子供向け版ですが、イラストが武部本一郎画伯!
ちょっと気になる(表紙は写真ですが)。

blinktasu
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