ボンドの敵はバカばっか。映画『007 美しき獲物たち』“A View to a Kill” を観たら

ロジャー・ムーアのジェームズ・ボンドは全く観たことがなかったのですが、BS-TBSの007映画特集で何本か観ることができました。
これはムーアボンドの最後の映画だそうです。

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BS-TBSの特集で観ていたロジャー・ムーア主演の007映画は、なんだか「ユーモア描写」を飛び越えて「コメディ映画かよ」な印象でしたが、この『美しき獲物たち』はその辺りは抑えているように思えました。変なシーンも結構あるけど。
あとまぁ広川太一郎吹替版なのでユーモア度2〜3割アップでしょうか。

ストーリーは、ゾリンという新興大企業のボスが、核爆発で生じる磁気パルスでも破壊されないマイクロチップを開発して、ソ連に売り込んでいるらしい(1985年の映画なのでまだソ連となんやかややってます)、というところから始ま利ます。
ゾリンの調査にボンドが赴き、なんやかやしているうちに、ゾリンが競馬で不正をしているとか、ゾリン本人がある実験で生まれた、超天才だけど超ひとでなしだということがわかってきます。
さらにゾリンは、マイクロチップ市場を独占するためにアメリカのシリコンバレーを水没させる計画を立てていることがわかってきます。
こりゃ大変とジェームズが頑張りますよ、という映画でした。

ムーアボンド映画としてはユーモア描写は抑えめでしたが、「間抜けで頭の硬い警官」、「大量のパトカーとのカーチェイス」というお約束はちゃんとありました。

序盤で、ゾリンのボディガード役のメイデイ(グレース・ジョーンズ)が競馬場で、馬にも負けないほど力持ちだとわかる描写があり、「なんだこりゃ?」と思っていたらクライマックスで力持ちを発揮するシーンがちゃんとありました。伏線になってたんですね。日本には「馬鹿力」という美しい言葉がありますね。あ、「馬並み」なんて言葉もありました。メイデイは「馬並みの馬鹿力」。
この馬並み、格闘技にも長けていてボンドを苦しめます。

ムーアボンドに限らず、「クライマックスは半裸の美女と大暴れ」というのが私の007映画の印象なのですが(最近のは知らん)、それもやや抑えめに感じました。

しかし、ボンドの敵ってみんなバカですよね。
ボンドが邪魔ならそこでサクッと殺しとけよ、と思う場面でわざわざ飛行機の墜落に見せかけようとしたりワニの餌にしようとしたりで、結局逃げられて自分が殺されちゃう。
この映画では、「市長にクビにされ恨みを持った女が仲間(ボンド)と一緒に市役所を襲い市長を殺し、証拠を消すために放火、逃げようとしたエレベーターが故障して止まり焼け死ぬ」という、手の込んだ筋書きでボンドを殺そうとします。刑事コロンボの犯人でもここまでややこしいことはしません。
もちろんボンドは脱出、最後はゾリンを殺します。

で、観ている間、「ゾリン」て聴くたびに何か思い出しかけていたのですが。
なんだっけなー、なんか聞いたことある響きだなー、ゾリンゾリンぞりんぞりん…。
映画の終盤で思い出しました。
これ↓

それと、「ロジャー・ムーア老けてんなー」などと思って観ていましたが、1927年生まれのムーアさん、この映画の撮影中は57歳だったそうです。今の私より若いじゃないですか。あははのは。

linelink01
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