夏休みといえば怪獣映画。他に何があるっていうんだい。
というわけで。
Netflixで「怪獣」で検索したらこんなのあったので鑑賞。
2022年公開、ノルウェー製作の配信映画です。
しかし。
日本でトロールといえばなんといってもムーミントロール。
怪獣か?ムーミン怪獣か?デカいムーミンが出るのか?大丈夫か?俺の夏休み大丈夫か?
なんてことは全く思わず鑑賞開始。
冒頭、父と娘がロッククライミングしてます。娘ノラ、15歳くらいでしょうか。
言いたいことを言い合えるいい関係みたいです。
父が山のてっぺんでトロールの伝説を語ります。「ここにいると見えるんだ」みたいな。
「そんなおとぎ話もう信じてないわよ」と娘。
父は「心で見れば見える。感じるんだ」とブルース・リーかマスターヨーダみたいなことを言います。
曇りなきまなこで見つめる娘ノラ。
すると山が輝き、何か見えた感じになります。
そして20年後。
ノラは化石を発掘するお仕事に就いていて、ある海岸で大発見の化石を掘り出します。
一方その頃、トロール伝説のある谷で地震が頻発します。
スクランブル出動するノルウェー空軍のジェット戦闘機。
地震に戦闘機?
と思いましたが、これはきっと政府は何かを知っていて、戦闘機出動事案だと判断したんでしょう。
首相も何か偉そうな人たちを集めて何か話し合いを始めます。
やっぱり政府はこの日が来ることを予測していたんだ。でも国民は何も知らされてなかったのだ、揉めるぜこりゃ。面白くなってきやがったぜ。
と思ったらそんなことはなく。
みんな集まって何が起きているのかこれから調べましょう、だと。
何か足跡みたいのがあるから生物学者も呼びましょう、だと。
ということで大発見に浮かれる発掘現場のノラの元に軍用ヘリが飛来、ノラをオスロに連れて行きます。
こうしてノラは謎の事象対策に加わります。
その過程でいろんな人と関わっていきますがなんていうか。
どっかで見たことあるような人が次々に出てきて、どっかで見たことあるようなことを言ったりやったりします。
ノラとのやり取りやらノラの扱いやらも「これどっかで見た」ものばかり。
その後の出来事も「これどっかで見たぞ」の繰り返し。
バランスよくできてはいて、つまんなくは無いけどつまんなくしようとし過ぎてて普通すぎてつまんねーなこれ。
そこそこ上手くできてるっていうか手堅いっていうか。でもそんなの見るんだったら豪快に破綻してる映画を観る方がずっと有意義(と私は思う)。
ノラのお父さんは精神に破綻をきたして隠遁生活をしているのですが(これもちょっと「どっかで見た」案件)、その理由が、トロールの実在を証明しようとして誰にも信じてもらえず、その上何か謎の大きな力に阻まれた落胆から、というものでした。
トロールっておとぎ話とか昔話に登場するものなので、日本で言えばヤマタノオロチとかナマハゲとかタツノコタロウみたいなものですよね。
父親が「ナマハゲは実在する」とか本気で言い出したら距離置きますよね。
トロールは始めのうち山奥でばかり暴れているのでちょっと不安になりましたが、ヘリコプターを鷲掴みにして他のヘリコプターにぶつけて墜としたりとか、最後はオスロまでやってきて暴れてくれたのでまぁ最低限怪獣映画だったかな。
ノルウェーに巨大生物出現のニュースは世界中で報じられます。日本でも。
日本の報道こんな感じ↓
ちょっと何言ってんのかわかりませんが。
「こいつこんなこと言いそうだな」と思ってるとみんな「こんなこと」言うし。「こいつこんなことやらかしそうだな」と思ってると「こんなこと」やらかすし。「こいつ最後に殴られそうだな」と思ってるとちゃんと最後に殴られてました。
まぁ、暇つぶしにはちょうどいい映画かな、と思いました。夏休みとかにね。
ただ、トロールがなぜオスロを目指して進撃するのかって理由のところはすごく良かったと思います。ノラの父親が中央から排斥された理由もここで明らかになります。
ヨーロッパっぽい暗さを仄めかしてくれました。ここのためだけに観てもいいかと思うくらい。
ただすぐに普通の娯楽映画テイストに戻っちゃうんですよね、何かもったいない。
この人類とトロールのいきさつだけでどうしょうもなく暗い映画でも作ってくれたらいいのになぁ。