淳子が怖くて正雄は変。映画『病院坂の首縊りの家』を観たら

市川崑監督、石坂浩二主演の金田一耕助シリーズ第5弾『病院坂の首縊りの家』(1979年)を鑑賞しました。

なんでしょう「病院坂」。新しいアイドルグループでしょうか。
病んだ歌を血痕の散った白衣、または包帯をまとって歌い踊るのでしょうか?踊り狂うのでしょうか?
いえいえそうではありません。
でもなんだかちょっと病んだ気配のある映画でした。「狂気」というのとはまた違う、「どこか狂ってる」ような空気。

『病院坂の首縊りの家』DVD 

Amazonプライムビデオ→『病院坂の首縊りの家』

冒頭、金田一耕助が応接間のようなところでおっさんと親しげに話してます。
なんかドキュメンタリーに出てきた素人みたいなしゃべり方のこのおっさん、よく見たら横溝正史先生でした。
金田一はひと仕事終えたのでアメリカへ行くつもりだというようなことを話し、先生から「それじゃパスポートの写真を撮らなきゃ」とある写真館を紹介されます。

紹介された写真館には主人の爺さん、その息子カメラマン、ドジな助手がいて、ドジな助手役の草刈正雄はホントに変な芝居をしてます。目立ちたいみたいです。
ドタバタしながらも金田一は写真を撮り終えますが、それと入れ替わりのように陰気な娘が姉の結婚写真を撮って欲しいとやって来ます。準備ができたら使いが呼びに来ると言って陰気に去っていきました。

夜になり、使いがやって来ます。
なんかもう「明治の人かよ」と突っ込みたくなるような髭を生やした横柄な男でした。鼻から下がまっ黒のぼーぼーです。ふざけてるみたいです。
髭男はずっと威張り散らした態度で「死んじまえ」と思うくらい嫌な奴でした髭男(あおい輝彦)。

そしたらこのヒゲが花婿で、花嫁はさっき写真館に来た娘とそっくりでしたが、そんなことより花嫁は様子がかなり変でした。見開いた眼は視点が定まらず、体もゆらゆらしてます。顔が真っ白なのはお化粧のせいばかりではありません。なんだか青白いです。
この花嫁、桜田淳子なのですが、アップになった時はホントに怖くてゾッとしました。
山口百恵の映画『絶唱』での死んだ花嫁も私は怖くてしかたありませんでしたがあれに匹敵する怖さ。さすが花の中三トリオ。

とこんな感じで始まる恐ろしい映画。
なんですが。
このシリーズでおなじみの俳優さんがたくさん出演していて妙な安心感が漂ったりします。同じ俳優さんが別の役で出てますね。「こないだ殺された人じゃん」みたいな。
加えて草刈正雄が全編変な芝居をしているので気になってしょうがない。問題になっている家の家系を早口で喋りまくる場面なんてコントみたいです。

ところが。
そんな風に油断させておいて。終盤に明らかになる真相はドロドロしすぎていて気持ち悪くなりそうでした。
マジかそれ、だってそれってさぁ、みたいな。
「マジか」つってもフィクションだけどさ。

そうそう、オープニングは市川崑のアレをすごーく簡略化してあっさりさせたような文字の配置になってました。なんかもう飽きちゃったのかな?一応アレっぽくはしたよ、崑だからねと。

原作は文庫で700頁以上あるそうです(映画は139分)。
昭和20年代と40年代、時代を超えてつながりのある事件が起きるのだとか。リンク張っておきます。このカバー絵も怖ぇーなー。

金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(上)

blinktasu
タイトルとURLをコピーしました