ノーベル経済学賞を受賞した実在の数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた映画。事実の基づくお話、ってことですね。どのくらいどうかは分かりませんが。「ゲーム理論」の人だそうです、ジョン・ナッシュ。詳しくは知りませんがなんか聞いたことあります「ゲーム理論」。
今回はNHKでの放送を録画していたもので鑑賞しました。
番組紹介には「感動のドラマ」とあり、感動が苦手な私がなぜ録画しようと思ったのか忘れてしまいましたがとにかく鑑賞。
ロン・ハワード監督、ラッセル・クロウ主演、2001年のアメリカ映画です(日本公開は2002年)。
Amazonプライム →ビューティフル・マインド (字幕版)
プリンストン大学院に入学したジョン・ナッシュは、数学の才能には恵まれていましたが、変人で、人付き合いが苦手でしたが、ルームメイトのチャールズが陽気なキャラで何かと関わってくるので、いつしか友情を覚えるようになりました。
チャールズ以外の学友とも飲みに行ったりするジョンでしたが、女性を口説こうとして「とっととセックスしよう、たかが体液の交換じゃないか」とか言って引っ叩かれたりします。スタートレックに出てくる宇宙人が言いそうなセリフですが、まぁそういうやつです。
人とうまく付き合えず、専門の数学でも実績を残せないジョンは自己嫌悪に陥りますが、チャールズの個性的な励ましで立ち直ったりします。
学園友情感動映画かと思って観ているとあっという間に卒業して、有名なウィーラー研究所に職を得ます。エリートコースですね。仕事成功感動映画かと思って観ていると途中からまた雲行きが変わってきます。
暗号解読に天才的閃きを持っているジョンは、政府の男からソ連の暗号解読を依頼されます。どうやらソ連は、ナチスのコンパクトな核兵器製造法の研究を手に入れ、完成させようとしているらしいのです。
これは大変。ソ連がそれの開発に成功したらもうアメリカはおしまいです。アメリカのおしまいはつまり世界のおしまいということです。ジョンは暗号解読に協力することにしますが、そこから運命が大きく変わってしまいます。
ジョンが暗号を解読する時の特殊効果が『ダ・ヴィンチ・コード』みたいだな、と思いましたが、『ダ・ヴィンチ・コード』もロン・ハワード監督だったんですね。ちなみに『ダ・ヴィンチ・コード』は2006年公開なので『ビューティフル・マインド』の方が先なんですね。
政府の男、パーチャーをエド・ハリスが演じているのですが、なんかもう「政府の男」以外の何者でもないくらいの政府の男っぷりです。
他の映画やドラマに出てくる「政府の男」はみんなエド・ハリスをお手本にしてるんじゃないかと思えるほどです。
こうして、感動のドラマがサスペンスドラマになっていきます。
次々と暗号を解くジョンでしたが、ソ連に身元がバレ、命を狙われるようになります。
そしてこの諜報サスペンスドラマは、あるところから心理サスペンスになっていきます。結婚して子供も生まれていたジョンでしたが、家族も危険に晒されるようになります。夫婦仲もどんどん険悪になっていきます。
ハラハラドキドキするばかり。
どこで感動したらいいんでしょう?
感動よりハラハラドキドキ好きの私には嬉しいのですが。
学園ドラマ →諜報サスペンス →心理サスペンスと展開し、最後は、なんということでしょう、ちゃんと感動ドラマになりました。
番組紹介に嘘はありませんでした。
確かに感動しました。
感動したのですが、このドラマ、真相はかなり怖いものでした。
ハラハラドキドキから感動、振り返るとゾッとする、一本でいろんな気持ちを味わえます。そんなお得な映画でした。