どんなに長くてもいつかは終わる。上映時間7時間18分映画『サタンタンゴ』“Sátántangó”を観たら

Amazonさんから「あなたにおすすめ」として『サタンタンゴ』[Blu-ray]を紹介されました。
なんでしょう『サタンタンゴ』。「サタン」。ホラー映画でしょうか?
と見に行ったら違いました。

あらすじを読むと面白そうではあるのですが、そんなことより上映時間。7時間18分ですって。ヤケクソか。絶対に映画館では観ない長さ。
Blu-rayも3枚組ですが、本編438分+特典2分というバランス。

監督はハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督だそうです。知らない人でした。

「まぁ買わないけどさBlu-ray」と思ったのですが、なんだか気になったのでどこかで配信してないかと検索したら配信してました。アマプラで。
そっちをおすすめしろよ、などと思いながら、3回か4回に分けて観るつもりで鑑賞開始。なにしろ7時間越えだからね。何かとの闘いになるからね。

⇩Amazonプライムビデオ⇩
サタンタンゴ(字幕版)

7時間18分の上映時間で約150カットだそうで、そのバランスがどの程度のものか、数字だけでは私にはわかりませんでしたが、観たら実感できました。「伝説の長回し」とやらが。

冒頭、農場の建物が映りますが、なんの動きもない。
間違えて一時停止ボタンでも押しちゃったかな?と思い始めた頃に建物から牛が出てきます。何頭も何頭も何頭も。そして歩きます。ノロノロノロノロ。『熱中時代』の国語の教科書を思い出しました。「うしはのろのろあるく」。

牛は歩き続け、手前の建物で牛の姿が見えなくなっても建物の壁だけを映しながらカメラは移動し、建物が切れると牛がまだ歩いてるのが見えたりします。
全編こんな調子。

部屋の中で酒を飲んでいたお爺さんが床にばたりと倒れ動かなくなります。あまりにそのままなので死んでしまったのかな?と思って見ているとやがてむっくり起き上がり、ゆっくりとベッドに腰掛け、しばらくしてからこう言います。
「だいぶ酔ったようだ」

ベッドに腰掛けていた爺さんはやがて立ち上がり部屋を出ていきますが、爺さんが出た後5、6秒間誰もいなくなった部屋を見せられます。
こういうシーンも多かったです。誰もいなくなった部屋、立ち話をしていた人物が去った後の建物だけ。
野原を歩き去る人物の後ろ姿が延々と映され、もう歩いてるんだかなんだかわからないくらいに小さくなってそれでもしばらくそのまま、と思ったら犬が手前をピタピタピタっと横切ったりして、ちょっと油断できない時もあります。
何かを見つめている人物の長い長いアップ。あんまり長いので禿げかけた髪の生え際やヒゲの生え方とか観察しちゃいました。。

それから、途中まで気づかなかったのですがこの映画、時間を行ったり来たりして、同じ出来事を違う視点で描いたりしてます。
説明も、時間がわかる記号的なものも無いのでややこしいです。多分全部は把握できてません。
知った上で鑑賞すればわかるところもありそうですが、もう一回観るのはしんどいなぁ。

腰が引けちゃう長さですが、退屈ではありませんでした。いろいろ謎めいていて。
休憩が2回入りますので、3回に分けて観るつもりで鑑賞するのがいいかもしれません。
ただ、猫好きの方は観ない方がいいかもしれません。ちょっとどうなの?というシーンがありました。長回しで。

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