立ち上げては倒れていくオトーラの書の新企画たち。いっそ「シリーズ新企画」というカテゴリーを作ればいいじゃん。そんなこと言うなよ。
というわけで今回の新企画は「オトーは月刊スターログと」。
元々はアメリカの雑誌である STARLOG の日本版として、ツルモトルームという会社から発行されていたビジュアルSF雑誌ですね。その月刊スターログ日本版をランダムに一冊ずつ取り上げて語っていきます。もっというと中綴じになってから後の月刊スターログね。
創刊号から買ってたんだけど、実家を建て直した時に私の本が全部処分されちゃったのね、父ハジメ(昨年他界)に。
他にもいろいろ貴重な本もあったんだけど全部こちらにことわりなく処分されちゃったのね。おのれハジメ(享年85)。
というわけで手持ちの号で新企画スタートです。
(なぜこんな企画を思いついたかはこちらを読んでいただければうっすらとわかるかと思います→プロレスを愛していたあの日々はこのためにあったんじゃないかと思えるくらい面白い『有田と週刊プロレスと』を観てるよ)
月刊スターログ日本版NO.48:1982年10月号 定価680円
目次写真
巻頭のピンナップは表カラーがメビウスのアルザック、裏モノクロがハリスン・フォードとなっています(スンだよスン。ハリスン)。
メビウスのアルザックピンナップは、当時は分からなかったけど、原著(Moebius:ARZACH)の見開きページをなぜか左右反転してさらにトリミングした絵柄になってますね。
ハリスンはスターウォーズのハン・ソロ(ハン・スロじゃないのね)がミレニアム・ファルコンのハッチの前で銃を構えてる有名な絵柄。
そのころ映画は『トロン』だった
特集は「MAKING OF TRON」。
CGを多用した映画として話題になっていた『トロン』(TRON)だけど、記事を読むと、CGと実写の合成には多重露光撮影という作業をしていて、ものすごく手がかかっていることがわかる。さらにSFXスーパーバイザーのリチャード・テイラーの「ピュアなコンピュータ・シミュレーションは全体の15分間だけです」という言葉も紹介されていて、内容ほどデジタルデジタルしてたわけじゃなかったみたい。
特集にはメビウスのデザイン画も掲載されていて、それがまたカッコいい。
この号にはメビウスが来日した時のシンポジウムの様子も部分的に掲載されていて、「『トロン』の次にオール・コンピュータ・アニメの映画を、自分の手でつくろうと思っている」というメビウスの言葉が載っている。これって『アルザック・ラプソディ(ARZAK RAHPSODY)』のことかなぁ。
そのころテレビドラマは『アメリカン・ヒーロー』だった
注目のドラマとして紹介されているのが『アメリカン・ヒーロー』(THE GREATEST AMERICAN HERO)。
ある日偶然にスーパー・スーツを手に入れてしまったごく普通の男(高校教師)の戸惑いと、スーツの使い方がわからないことで生じるドタバタが笑えるコメディでした。
吹き替えに富山敬、小林修、戸田恵子。古代進とドメル将軍とマチルダさん。
そのころ小説は『竜の卵』だった
ビジュアルSFだけでなく、SF小説の紹介もしてくれていた月刊スターログ。この号ではロバート・L・フォワードのハードSF『竜の卵(DRAGON’S EGG)』を紹介。これ好きなんだよなー。SFファンでよかったって思うのはこういうの読んだときだな。
そのころアニメは『クラッシャージョウ』だった
カラー見開きで、劇場アニメ版『クラッシャージョウ』制作進行中のニュースと、メカ・デザインの河森正治(スタジオぬえ)のインタビューが載っている。制作サイドから「線を減らして欲しい」と言われたけど劇場用アニメでは線を増やさないと迫力が出ない、などとおっしゃってます。結果すごいことになったって話をどこか別のところで読みました。おかげで伝説の名作になったとも。
「オトーは月刊スターログと」#1 終わり
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