オトーは月刊スターログと #2:1983年6月号

私の手元にある旧い版月刊スターログを引っぱり出して語ってみようのコーナー第2弾はこちら。

月刊スターログ日本版NO.56:1983年6月号 定価680円

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表紙

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巻頭のピンナップは表も裏もシド・ミード。ピンナップの後、20ページにわたるシド・ミード特集。つまり、

そのころアートはシド・ミードだった

『ブレードランナー』後のシド・ミードですね。インタビューでは、『ブレードランナー』はデザインの決定が早くて、撮影の都合で車のドアを広くしたりとか程度だったと語ってます。4本目の映画の企画に関わっているとも言ってるけど、これなんだろうなぁ。「サン・フランシスコの街がリング状になった設定」の映画だそうで。軽く調べたけどわかんなかった。「サン・フランシスコ リング状」で検索するとドーナツに関するサイトがヒットしました。映画が完成まで至らなかった可能性もありますが。

そのころテレビ放送は『転校生』だった

この年の5月のテレビ放送の目玉は『転校生』で、「はやくも『転校生』がTV放送されてしまうのだ!」と紹介されてます。映画の中で日本版スターログを読んでるシーンがあったりしますからね、『転校生』には。
他には『ねらわれた学園』、『ブルース・ブラザース』、『ソイレント・グリーン』などが今月放送欄に紹介されてます。
しかし、昔は貴重でしたよねー映画のテレビ放送。この号の石上三登志のコラムに、映画のビデオカセットが1本2万円って話が出てきて、5本で10万円、高いなー、10本20万円高いなー、でも15本30万円は安い、とひっくり返して、その15本の映画とは、と続いていく。単価が変わるわけじゃないけど、好きなものをガサっと並べられる喜びを加算するには15本30万円がほどほどラインってことでしょうか。これが20本40万円だと総額が何かを超えてしまうんでしょう。
『ブルース・ブラザース』の紹介は「SFじゃないけど絶対のおすすめ作品。レイア姫が執念深い女に(?)」となっています。亡くなったキャリー・フィッシャーさん、こんな役もやってました。1980年公開なので、スターウォーズでいえば帝国の逆襲のころでしょうか。

そのころスターウォーズは『ジェダイの復讐』だった

そんな仕事もしていたキャリー・フィッシャーさんですが、キャリーさんといえばやっぱりレイア姫。公開間近のスターウォーズ新作も特集されていました。
特集のタイトルは「スターウォーズⅢ『ジェダイの復讐』今こそ、すべての謎が解き明かされる!」。

もともと「 REVENGE OF THE JEDI」だった原題が、公開前のどこかのタイミングで「RETURN OF THE JEDI」に変更になったけど、日本は「復讐」のままで行くぜ!なぜなら日本人には「復讐」の方がお似合いだからな、みたいな話をどこかで(たぶんスターログで)読んだけど、今では日本語タイトルも各種ソフト、配信とも『ジェダイの帰還』になってるみたいですね。バブルもはじけ、日本人にも「復讐」は似合わ亡くなったんでしょう。
ジェダイの騎士にREVENGEは似合わない、そもそもジェダイは復讐なんかしないというのが変更の理由でしたが、「 REVENGE OF THE JEDI」のままポスターを印刷してしまっていて、それがプレミア商品にならないように「 REVENGE OF THE JEDI」のままのポスターをそれなりの数作ることにしたって話もどこかで(たぶんスターログで)読んだ記憶があります。
内容的にはダース・ヴェイダーが皇帝を裏切ってジェダイに戻るって話だから「復讐」って要素はあまりないですよね。
それにしても、過去にはジェダイを裏切り、そして今度は、長年いっしょに悪事をはたらき、世話にもなってきたであろう皇帝も裏切るなんて、なんて寝返り人生だよと思います。
どうでもいいことだけどエピソードⅥの日本語吹き替えだと「アナーキン」って言ってますね。
アナーキン。
コラーゲン?みたいな。
肝心の記事は、まだ映画を観ていないスターウォーズファンクラブとかの人たち4人がスチール写真他の情報を元に語り合う座談会形式。
あるひとが「レイアさん今回で終わってよかったね。来年なんていったら、もう老けて出られないんじゃない」と言っていて、別のひとたちが、それなら通行人で出ればいいとか、あれレイアじゃない?程度の出方がいいんじゃないかというようなことを言ってますが、まさか30年以上経ってから『フォースの覚醒』で、老けたレイア姫をたっぷり堪能できるとは想像もしていなかったでしょう。

そのころ小説は大原まり子『機械神アスラ』だった

早川書房の「新鋭書下ろしSFノベルズ」の一冊として刊行された大原まり子の『機械神アスラ』が紹介されています。私も当時読んで感動したのを覚えてます。内容はほとんど覚えていませんが。
余談ですが、夢枕獏の『上弦の月を喰べる獅子』も当初はこのノベルズシリーズの一冊としてラインナップされていて、楽しみに待っていましたがなかなか刊行されず、突然SFマガジンで連載が始まってありゃ?と思ったのを覚えてます。書下ろしじゃなくなっちゃったので単独でぶ厚い上製本として刊行されました。

そのころスタジオぬえはアニメ寄りになっていた

もうほんとちっちゃい記事で、「高千穂遥のお答えします」っていうのがあって、それによると「スタジオぬえは、56年の4月からアニメなどの映像作品の企画とデザインの専門会社になりました」とあり、イラスト部門や小説部門や漫画部門がなくなったことを伝えている。4月号の読者からの質問だか疑問だかに答える形になっており、今は『超時空世紀オーガス』などの企画や設定を作ってますとも書かれている。
当時はねー、「あんなのはSFじゃない!」っていう攻撃の仕方があったんだよねー、人気アニメとか漫画とか映画に対して。ねー。私なんか難しくてよくわかんなかったけど懐かしいねー。あ、56年は昭和ね。って書くまでもないか。

というわけで、「オトーは月刊スターログと」#2はここまでです。#3までごきげんようさようなら。

オトーは月刊スターログと[総目次]

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