あの頃を思い出すと涙がこぼれちゃう。雑誌「月刊スターログ日本版」を懐かしむコーナー第13弾。今週はあの大ヒット宇宙生物映画大特集のこの号。
月刊スターログ日本版NO.51:1983年1月号 定価680円
というわけの『E.T. The Extra-Terrestrial』大特集号。表紙によると「お待たせ50ページ総力特集」ですって。月刊スターログ史上最大特集ではないでしょうか。
なのであるが、目次の右上の図版にも注目。宇津井健主演の『スーパージャイアンツ』の写真です。
スーパージャイアンツ。直訳すると「すげーでかいやつ」。
本文中に特に記事はないのですが、こういうくすぐりをワンポイントで入れてくるところも日本版スターログの好きなところでした。
そのころ映画はとにかく“ E.T. ” だった。
巻頭のピンナップは表のカラーが エリオットと E.T. が抱き合って別れを惜しんでるシーン。裏のモノクロは、クライマックスで自転車が飛ぶ直前のシーン。前方をふさがれたとわかった瞬間のエリオットの固い表情が絶品です。
そして怒涛の50ページ総力特集。
何しろ月刊スターログの総ページが 100ページほどですから、半分 E.T. 。
なんですが、その三分の一くらいはでかい写真を使ったざっくりした E.T. の紹介(ストーリーには触れない、 E.T. の設定紹介的なもの)で、中には見開きで一枚の写真だけ(文章なし)の頁もあり、月刊スターログの特集としては異質なものになってます。
当時のSFファン以外にも広がった E.T. ブームの需要に合わせたのでしょうか?
そのあとは「 E.T. ナンデモ大百科」とか、映画周辺の豆知識が紹介されています。劇中でテレビ放送されていた映画は『宇宙水爆戦』と『静かなる男』だったとか、子供たちが乗っていた自転車は輸出専用に作られた日本製(クワハラというメーカー)で、 E.T. ブームで日本でも発売されることになったが、チェーンカバーに「 E.T. 」と文字が入ってるおかげでバカ高く(59,800円!)なってるとか、役に立つ知識満載です。
あと、 E.T. に似ている既成のキャラクターとして、日本からはゴジラの息子のミニラ、妖怪の油すまし、漫画『うる星やつら』の錯乱坊が紹介されていました。
この号が E.T. 総力特集なので、映画も観ておこうかなと思いましたが、「20周年アニバーサリー特別版」というのしか手元になく、しょうがないのでそれを流しながら書いてます。
「20周年アニバーサリー特別版」いろいろ変わってるらしいですね。有名なのは追跡シーンで大人たちが手にしていた銃をトランシーバーに変えてるところですね。見ると大勢の大人がトランシーバーを持っているのですが、みんな銃のような持ち方をしていて、指の形とちょっとおかしいです。
あと、冒頭、子どもたちがゲームをしているシーンで、タバコの煙が漂っていて、エリオットが煙を払いのけるような仕草をしたりしますが、子どもたちがタバコを吸ってるとわかるシーンは映っていません。もともとはタバコを口にしたり、母親にタバコはダメだと言われてるシーンがあったような気もしますが、定かではありません。他の映画と間違えてるかもしれません。
小さな妹もいることだし、受動喫煙の危険性をとっくりと言い聞かせてやりたいところです。
その小さな妹役のドリュー・バリモアは本当にかわいいね。かわいいだけじゃなく、兄たちが母親に叱られているシーンを「あーあ」みたいな笑顔で見つめてるところとか、その後エリオットが父親のことを口にして場が気まずくなった時の、よくわかんないけど雰囲気の悪さを感じてる表情とか、さすが天才子役と思わせる演技。
特集には試写を見た作家や漫画家の感想も載っているが、『E.T. 』を褒める一方、「それに比べて日本映画は、」とか、「日本じゃ作れない」とかいうものの言い方が目につきました。安彦良和も、日本映画だったらクサくて見てられなかっただろう、と言ってます。わかるような気もします。
子どもと異生物といえば日本では藤子不二雄漫画でさまざまなパターンを経験済みですが、その藤子不二雄の感想は、「これこそ僕の観たかった映画なのだ!」で始まって、でも少年時代に観たかった、でも中年になって観たからこそ胸が熱くなったのかも、と言っています。
そのころ映画は E.T. だけではなかった
怒涛のE.T. 特集が終わると中綴じピンナップ。
表のカラーはE.T. 特集の最終ページで、数々のE.T. グッズ写真。裏のモノクロはブレードランナーのリック・デッカード。
『E.T. 』の日本公開は1982年の12月4日ですが、1983年は『ジェダイの復讐』、『スタートレックⅡ カーンの逆襲』、『ダーククリスタル』、アニメ映画も『クラッシャージョウ』、『幻魔大戦』などの公開が決まっており、SF、ファンタジーファンにはなかなか昂ぶる年でありました。『バンデットQ』日本公開は1983年ですね。一部地域では『幻魔大戦』と同時上映だったそうです。
という盛りだくさんな情報が4ページに詰め込まれてます。
それであの、ホントにごめんなさいな情報
E.T.大特集で他の情報が薄かった今回。なにかネタはないかと読者コーナーも目を通したんですけど、これってのがなかったんですね。
でも最後に見つけちゃったんです。SFとは関係ないけど強烈(かも)なの。
毎号載ってる「帝国通信」っていうスターウォーズファンのためのコーナー。
読者のお便りやイラストを載せてるページにそれはありました。
これ↓
いや、絵がおじょうずだなー、ひょっとしてのちにプロの漫画家になったりしてないかな?そしたら大ネタだな、そういえばセーラームーンの作者ってこんな名前だったような?と検索してみたんですね、「武井直子」で。
そしたら、ありゃー!な人物が検索されてしまって(セーラームーンの作者は武内直子でした)、まぁ同姓同名なんだろうけど世の中にはこんな人もいるのかーそうかーと、何気なく経歴を調べたら…。
なんていうか、怖くてこれ以上は踏み込めません。今夜は震えて眠ります。
それではみなさん!#14までごきげんよう!さようなら!しつこい検索もたいがいにしようねっ!