日々棒組み754 最後にはじっと手を見るしかない僕

前に勤めていた会社に「歌うのが好き」な若い女性社員がいて、なんていうか、仕事中も隙があるとなにかの歌を口ずさんでいた。

「歌うのが好きなんです」と自分で言うだけあってとてもうまかった。そして私はその、誰かがなにかを「好き」というのはとてもいいなぁと思って聴いていた。

私は歌うのは好きではないが、絵を描くのが好きで、仕事中も隙があれば何か描いてる。電話で話しながらとかパソコンが起動するまでとか。

ただ、描き始めるともはや「隙」があるとかないとか関係なくなって、メモ帳のすみっこに(時には真ん中に)描いた絵が妙に気に入って、ペロッとはがしてそっと胸ポケットにしまったりすることもしばしば。
LINEスタンプを作っている時などはその頻度も高くなる。

だがしかし。

ここまで書いてふと我に返ったが。
若い女性社員が綺麗な声で歌うのはいいものだが。
サラリーマン人生もとっくに最終コーナーを過ぎて、最後の直線コースに突入しているおっさんが仕事中に、侍の格好をした魚やら、トランペットを吹いているカエルやら、目つきの悪い少年やら、なんとも言葉にできない化け物やらを描いていていいものでしょうか。
誰かに見られたらかなり異様な光景ではないでしょうか(その点はものすごーく気をつけてるけど)。

俺ってやっぱりダメ人間なのかなぁ。
じっと手を見ちゃうなぁ。


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